出国者の3分の1が日本に行く台湾。旧正月の旅行先も相変わらず日本が人気だが、2026年は「熊」への懸念で異変も。

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つまり、出発の半年以上前にすでにこの旧正月ツアーが売り切れていたのだ。筆者が添乗する通常期のツアーが確定するのは早くても出発の3か月ほど前であることが多いため、旧正月の場合は客側もかなり早い段階で日本旅行の予定を組んでいるということがうかがえる。

雪は喜ばれるがトラブルも

旧正月の時期は日本で雪が降ることもあり、それを期待している台湾人も少なくない。台湾では標高が高い山間部を除いて降雪が滅多にないため、雪が見たいという旅行ニーズが存在する。ただ、筆者をはじめ添乗員にとって雪は交通状況の悪化に伴う旅程の遅延や旅行者がけがするリスクが高まるなどトラブルの原因になることも多いため、できるだけ雪には遭遇したくないのが本音だ。

数年前に大分・由布院を訪れた際、朝起きると大雪が降っていてツアー客は大喜び。念のため前日にホテルのワゴン車でホテルから少し距離がある貸切バス専用の駐車場までツアー客を送迎してもらう手配をしていたのだが、ツアー客が雪道を歩いて行きたいと話すので、出発前に送迎をキャンセルした。

しかし、最初は喜んで写真を撮りながら雪道を歩いていたツアー客も、5分ほどすると寒い、疲れたとの声が出はじめ、「ここまで車を呼んで」と言い出す状態となってしまった。むしろお客様が不快な思いをすることになり、添乗員としては心苦しくなった。それ以来、雪の日は極力、ツアー客を歩かせないようにしている。

ちなみに、旧正月ならではの興味深い傾向もある。25年に筆者が添乗した旧正月ツアーの客はすべてが医師、薬剤師などの医療関係者とその家族だった。聞くところによると、1年で海外に行ける長めの休暇が取れるのは旧正月ぐらいだからだそうだ。

確かに旧正月ツアーに参加する客では通常期に比べて医療関係者の割合が増える傾向にある。日々医療に従事して大変な中、年に1度のリフレッシュや家族サービスとして日本を旅行先に選んでもらえているのは日本人としてうれしい限りだ。

さて、26年の旧正月ツアーはどうなるか。日本にも多くの台湾人が今年も訪れると思われるが、存分に日本の冬を満喫してもらいたい。

吉岡 桃太郎 在台湾作家、ツアーコンダクター

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よしおか ももたろう / Momotaro Yoshioka

在台湾作家、中国文化大学推進広部講師、ツアーコンダクター、観光ガイド、観光アドバイザー、通訳案内士、交通部観光署(台湾観光庁)日文顧問、台湾福岡県人会「梅友会」代表世話役。著書に『桃太郎哈台灣!就是要醬吃醬玩~桃太郎流台湾の楽しみ方』(瑞蘭國際、2014)、『大家的新聞日本語』(瑞蘭國際、2023)など。

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