iPhoneの「通知」がニュースにハックされた! フェイスブック「Notify」が狙うものとは?
アプリを開いて本文を読むところまで行けば、ユーザーはおそらく30秒から数分の行動をNotifyに割くことになる。もしアプリを開かないとしても、タイトルだけで共有した、あるいは保存した、というアクションを行えば、その情報はフェイスブックへ送られる。さらに、通知に対して「反応しない」こともまた、フェイスブックに対する意思表示になる。
つまりNotifyを導入しているユーザーは、最新ニュースをロック画面で受け取れるようになる代わりに、フェイスブックに対し、「何を購読したか、という基本的な興味の情報」「どんなニュースを読んだか」「どんなニュースを共有したか」「どんなニュースを保存したか」「どんなニュースに無反応だったか」という情報を提供していることになる。
ニュースの価値をリアルタイムで計る
いまさらプライバシー云々について語りたいのではない。通知をきっかけにすることで、「なにもしない」という行動も含めて、ユーザーから情報を集めることに成功している点が、このアプリの面白い点なのだ。
例えば、ある媒体を購読しているユーザーが無視以外のアクションを起こした記事、特に共有した記事は、より拡散して読まれる可能性が高いことから、広告の掲載価値が高いと判断できる。もしその媒体がフェイスブックページで同じニュースを流しているなら、より多くのファンを獲得するための原石を予見できる、というわけだ。
しかもApple Watchユーザーを当て込んで、通知の活用を選択しているかも知れない。iPhoneに届く通知は基本的にはApple Watchで手首に知らされる。ここでも、通知アクションのボタンは有効であり、ニュースが届いた瞬間シェアしたり、保存したりするアクションができるようになる。
ニュースの通知を配信して数秒以内で、そのニュースの価値を計ることができるのだ。実際のユーザーが答える、世界最速のニュース評価システムと呼んでも、過言ではないだろう。
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