2度の失敗を経て3号機へ。小型衛星需要の高まりの中で、日本発"宇宙宅配便"は軌道に乗れるのか
なお、カイロス3号には、超小型衛星コンステレーションの運用を目指すアークエッジ・スペースの技術実証用衛星「AETS-1」、JAXAのベンチャー企業で過酷な宇宙環境で動作するコンピューター開発を行うSpace Cubicsの「SC-Sat1a」、70kg超小型衛星「TATARA-1R」、そして東京都港区の広尾学園中学校・高等学校の人工衛星プロジェクト「Hiroo Engineering for Orbit(HErO)」がペイロードとして搭載される。
地域振興も含む活動でさらに飛躍へ
2025年12月24日には、JAXAが行った「宇宙戦略基金」の公募に対しスペースワンが提出したテーマ「高頻度打上げに資するロケット製造プロセスの刷新」が選ばれたことが発表された。スペースワンの豊田正和社長は「当社ロケットの根幹である固体燃料モータの製造プロセスを刷新し、自動化・効率化を進めることで、高頻度打上げを実現できる体制を整えることを目指す」とコメントしており、2月の打ち上げには直接影響を与えないかもしれないが、カイロス4号機以降にはきっと、このプログラムからの成果も生かされるはずだ。
スペースワンのロケット事業は、試算によれば和歌山県への経済波及効果が1回あたり約12億円にも上る可能性があるとされている。また、スペースポート紀伊周辺地域の高校では、2024年より元JAXA職員を教員として採用し、宇宙科学や技術を学ぶカリキュラムを盛り込んだ「宇宙探究コース」を開設、将来の宇宙産業を担う人材の育成にも取り組み始めている。
和歌山県は地元産業においてもサプライチェーン構築や宇宙産業人材創出に寄与する取り組みとして「Kii Space HUB」と題した活動を2025年6月に開始している。こうした取り組みを通じて、和歌山県は2040年には宇宙への玄関口『スペースエントランス』となることを目指し、県内10市町村と共にアクションプランを策定しているという。
こうした数々の取り組みのためにも、まずはカイロス3号の打ち上げが成功することに期待したい。
そして、カイロスが運ぶ人工衛星とともに、スペースワンの事業も軌道に乗っていくことで、国内宇宙産業だけでなく、地域への貢献もさらに広がっていくことだろう。
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