2度の失敗を経て3号機へ。小型衛星需要の高まりの中で、日本発"宇宙宅配便"は軌道に乗れるのか

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もちろんStarlinkは極端な例だが、小型の人工衛星に対するニーズは2020年台以降高まりつつある。たとえば、10cm×10cmのユニットを組み合わせて構築するCubeSat規格の超小型人工衛星や、数十kg級の小型人工衛星は、短期間かつ低コストで開発することが可能であり、民間企業や大学その他研究機関などが独自に設計開発や実証実験を行えるメリットがある。

一般的には、小型人工衛星の軌道投入は、他の人工衛星を打ち上げるロケット(国内ならばH-IIAなど)に相乗りする方法や、いったん補給物資とともにISSに送り、日本実験棟「きぼう」から宇宙空間に放出してもらう方法などがある。だが、そのコストは相乗り方式で数千万円はかかる。ISSからの放出はもっと安価だが、ISSそのものが2030年で運用を終了してしまう見込みだ。

こうした背景から、小型人工衛星などを低コストかつタイムリーに軌道に送り込むことができる小型ロケットのニーズは、今後さらに高まると予想される。だが、現状では、この小型人工衛星を打ち上げるためのロケットが足りていないのが実情だ。

民間企業初の人工衛星軌道投入を目指すスペースワン

スペースワンは、世界的な民間企業による宇宙ビジネス参入機運の高まりを受けて、2018年にキヤノン電子、清水建設、IHIエアロスペース、日本政策投資銀行から出資を受けて設立された。

SpaceXが大型二段ロケットの1段目ブースターを再利用可能な設計とすることで、驚異的な打ち上げ回数を記録するまでになったのに対し、スペースワンは小型ロケットを用い、大型ロケットよりも柔軟なスケジュールと、低コストで小型の衛星を大量に打ち上げるビジネスモデルを確立することを目指している。

スペースポート紀伊のロケット発射場(画像:スペースワン公式X)

そして小型ロケットとはいえ、柔軟なスケジュールでの打ち上げを実現するには、常設のロケット発射場が必要になる。スペースワンは、2018年11月に「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律」(宇宙活動法)が施行され、民間企業による宇宙活動についての法整備が行われたことを受けて、和歌山県串本町内に「スペースポート紀伊」を建設した。

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