「踊り場」と言われるEV事情は今どうなっているのか? JAIA「創立60周年記念イベント in 奈良」で考えた

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筆者は2003年のテスラ創業から定期的に同社の動向をアメリカで見てきた。アジア圏を含めてモーター、制御系、バッテリーなど、当時のテスラ向け主要サプライヤーへも積極的に取材している。

テスラの経営体制は、2000年代中盤から後半にかけて二転三転するが、その後のオバマ政権による米国内次世代車開発に関する施策が、テスラの成長のきっかけに。

テスラ「モデルX」と「モデルS」(写真:Tesla)

それでも、「モデルS」「モデルX」の安定的な生産には当初の予定よりも長い時間がかかり、一般投資家のテスラに対する見方は厳しかった。

ところが、テスラに限らずEV市場全体に強烈な追い風が吹く。2015年のCOP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)で採択されたパリ協定だ。環境関連への投資がグローバルで大きく動いたのだ。

この時期、マスマーケットを狙った「モデル3」が登場し、グローバルで爆発的に販売を伸ばす。

「ESG投資」とは何だったのか?

また、環境関連による政治的な対立図式も変わった。

欧州連合が欧州グリーディール政策を推進し、中国では2000年代から基盤を固めてきたEV普及施策をNEV(新エネルギー車)政策として強化。

欧中の動きにアメリカが対抗することで、結果的に“米中対立の狭間に欧州”という図式が生まれ、グローバルでEVを含めた投資合戦が繰り広がれることになる。

同乗試乗用に準備された輸入電動車の各モデル(筆者撮影)

こうした投資は、ESG投資と呼ばれることが多い。日本の財務省では、ESG投資ついて「財務的な要素に加えて、非財務的な要素であるESG(環境、社会、ガバナンス)を考慮する投資のこと」と定義する。

ところが、過剰なESG投資が、EV市場の拡大と同調しなくなっていく。それはなぜか。

EVユーザーは増え、行政による充電インフラの拡充も進んだものの、社会全体のエネルギーマネージメントを住民自身が真剣に捉えるような、意識変化や動向変容にまで至らなかったからだ。

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