【産業天気図・スーパー/コンビニ】スーパー、コンビニとも既存店前年割れ続き「曇り」
スーパー、コンビニ業界は、07年度後半、08年度前半ともに弱含みの状況が続く。全般的な景気回復にもかかわらず、7月までの各業界の既存店売り上げはスーパーで19カ月連続、コンビニが13カ月連続で前年割れ。年金問題など先行き不透明感が強く、消費者の財布のヒモは依然固いままだ。定率減税廃止や税源移譲に伴う個人住民税の引き上げが、個人消費にマイナス影響を与えているという見方も根強い。また地方で苦戦する企業が多く、地域格差の拡大が業界の販売動向にも現れ始めている。
商品別には食品は比較的堅調な推移が見込めるものの、衣料品は当面天候に左右される状況が続きそうだ。その分、食品スーパーに比して、衣食住をそろえる総合スーパーの業績に対する影響が大きい。イオン<8267>は07年度上期は減益となる公算で、『会社四季報』秋号では07年度通期予想についても若干減額した。グループ調達による価格優位性の発揮を狙うが、衣料品を中心に季節品の低迷が続けば再度減額となる可能性もある。セブン&アイ・ホールディングス<3382>は07年度通期予想を据え置いたが、中核のセブンーイレブン・ジャパン、イトーヨーカ堂とも計画未達が続いており、今後減額となる可能性もある。『四季報』秋号では、ダイエー<8263>、西友<8268>についても07年度通期予想を減額している。
コンビニ業界では、ドラッグストアや外食等、業態を超えた競争が厳しくなっている。懸念されるのが、本来の主力である弁当・おにぎりなど中食の低迷だ。各社では下期以降、健康志向の弁当やカウンターフーズを強化する一方、生鮮食品の導入や女性を意識した業態開発にも引き続き取り組む。今後は他店との差別化、客層の拡大がポイントとなろう。また、ローソン<2651>、ファミリーマート<8028>を含めた大手とそれ以下の企業との業績格差が広がる傾向にあり、業界再編の可能性も残されている。
【並木 厚憲記者】
(株)東洋経済新報社 四季報オンライン編集部
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