「やっぱり、大学時代のゼミの経験があったからですね。ゼミ以上に厳しい環境やフィードバックはなかったですし、あの頃の経験があるからこそ、どんなことがあっても『これくらいなら大丈夫』と思えるのかなと。あとはミスコンやゼミと同じく、自分が『やりたい』と思って決断したことは、何があっても最後まで続けたかったというのもありますね」
大学時代のような強い覚悟を持ち続けていた小杉さんは、その後もさまざまな困難に遭遇しながらもすべてのカリキュラムを修了し、無事にMBAを取得。そして、修了後の進路として、外資系コンサルティングファームを選んだ。
「ハードな環境に身を置いていないと不安になるタイプ」
MBA取得後のキャリアとして外コンに行くのは珍しいことではない。しかし、前編で語ってもらったように、小杉さんには、大学時代のゼミでコンサルのハードな現実に直面し、新卒では受けなかった経験がある。
そんな彼女が、なぜ転職先に外コンを選んだのか。
「一番の理由は、自分はある程度ハードな環境に身を置いていないと不安になることを知ったからです。『まだ自分のなかで余裕があるのに何もしなくていいのかな？』『今の状態で自分は成長できているのかな？』と、未来に対する不安を抱えてしまうんです」
新卒で勤めたIT企業でも、営業に初めて挑戦するというハードさはあった。しかし、ゼミやミスコンを両立した学生時代に比べると、どこか物足りなさを感じてしまった。「コンサルには絶対に行きたくない」とさえ思う原因になったゼミが、実はもっとも自分を成長させてくれていた環境であったことに、この時になって初めて気がついたのだ。
とはいえ、外資コンサルでの生活は小杉さんの予想通り、一筋縄ではいかないものだった。
「私はまだ入社したばかりの新人なので、プロジェクト内でも貢献できることが多くはありません。それでも日々、自分のキャパシティとしてはギリギリの業務量をこなしているので、よりコアな業務に携わらせていただくようになれば、今以上にハードな環境になるだろうとは思っています」
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