香川だけじゃない!「コシなし柔らか麺」に行列ができる"隠れうどん県"の日常→地元民が通い続ける《天玉かうどん》の正体

✎ 1〜 ✎ 26 ✎ 27 ✎ 28 ✎ 29
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
天玉かうどんとみそおにぎり
天玉かうどんとみそおにぎりで合計580円(税込)(写真:筆者撮影)

どんぶりはたっぷりのネギと天かすで覆われ、つやつやとした玉子と天ぷらがその下から顔を覗かせる。透明感のある琥珀色の出汁に泳ぐ麺はふっくらとしていて、見るからに柔らかそうだ。

いりこ(煮干し)と昆布、かつお節で取られているという出汁はやさしく、すっきりとした味わい。それでいていりこの風味が際立ち、コクも感じられる。飽きのこないシンプルな味で、気づけば「もうひとくち、もうひとくち……」と、無心でレンゲを口に運んでしまう。

麺は、宮崎うどんの身上である柔らかさを持ってはいるが、それは決してふにゃふにゃで伸び切っているという意味ではない。モチっとした食感とプリッとした歯切れが心地よい、絶妙な柔らかさなのだ。喉越しもよく、忙しいときに手早く食べられる上、子どもからお年寄りまでおいしく食べられる。

くったりとした麺
くったりとした麺。「麺柔らかめで」と注文していたお客さんもいた。やはり宮崎人にとって、うどんは柔らかくてなんぼなのかもしれない(写真:筆者撮影)

また、盛りの良さも魅力で、どんぶりの中には麺がたっぷりとひしめき合っている。時間帯によっては、高校生がテーブル席で一心にかき込んでいることも多く、食べ盛りの若者たちの腹もしっかり満たす。「安い・早い・うまい」に「盛りが良い」も加わり、四拍子そろう。

隠れた人気メニュー「みそおにぎり」

「天玉か」のひとつ、天ぷらは大きめにカットされたものが4切入っており、しっかりと出汁を吸っているからか、むっちりとした食感で、麺との対比も楽しい。かみしめるたびに魚肉のうまみが広がるが油っぽさはなく、さっぱりと食べられる。玉子には調理の際に上から出汁がかけられるので、ちょうどよく固まっている。早めに割ってうどんに絡ませるもよし、最後までとっておいて出汁に溶かすもよし。新鮮なネギの香りと、天かすのサクサクとふにゃふにゃの入り混じった食感もアクセントになって、あっという間にどんぶりは空になる。

次ページさつま揚げやみそおにぎりもおいしい
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事