離れにあるパンを焼くための薪釜は、素人の作品とはとても思えない本格的なものでした。「海月の棲み処(くらげのすみか)」という島暮らしの表現の中で、オンラインでも買えるパンをここで奥様が作っているそうです。
「ここのパン、絶品なんよ」
と、ミカンが自分の手柄のように鼻を膨らませます。
小麦粉は地元の農家のもの、そして使う塩まで手作りされているとのこと。後日、ここのパンと上等なチーズ、そしてワインで1杯やるミカンの写真が送られてきて、私とMを羨ましがらせました。
憧れる「最高の卵かけご飯」
「鶏小屋の中には鶏がいるよ」
庭に出たMが声を上げたので見に行くと、これもまた手作りらしい鶏小屋に鶏が何羽も飼われていました。
きっと新鮮な卵を提供してくれるのでしょう。自然の中で健康に育った鶏の産みたての卵、まだ温かみが残る卵を炊き立てご飯にかけて食べる卵かけご飯、憧れます。人生で一度は味わってみたいものです。
ルーフバルコニーに上ると、目の前には何も遮るものなく、瀬戸内海が広がります。瀬戸内海の凪は、海といえば福岡の玄界灘で育った私には湖のように見えました。
土を耕して野菜を作り、ヤギや鶏を育て、古民家と倉庫をリノベーションして自然の中で暮らすご夫婦。多くの人が一度は夢見る移住生活が、そこにありました。


















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