「ダンナを置いて1人で移住」50代女子が暮らす瀬戸内海の離島――ヤギを飼いパンを焼き古民家で暮らす…くらたまが見た"理想のシニアライフ"

✎ 1〜 ✎ 8 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

離れにあるパンを焼くための薪釜は、素人の作品とはとても思えない本格的なものでした。「海月の棲み処(くらげのすみか)」という島暮らしの表現の中で、オンラインでも買えるパンをここで奥様が作っているそうです。

パンを焼くための薪釜(写真:筆者提供)

「ここのパン、絶品なんよ」

と、ミカンが自分の手柄のように鼻を膨らませます。

小麦粉は地元の農家のもの、そして使う塩まで手作りされているとのこと。後日、ここのパンと上等なチーズ、そしてワインで1杯やるミカンの写真が送られてきて、私とMを羨ましがらせました。

憧れる「最高の卵かけご飯」

「鶏小屋の中には鶏がいるよ」

庭に出たMが声を上げたので見に行くと、これもまた手作りらしい鶏小屋に鶏が何羽も飼われていました。

きっと新鮮な卵を提供してくれるのでしょう。自然の中で健康に育った鶏の産みたての卵、まだ温かみが残る卵を炊き立てご飯にかけて食べる卵かけご飯、憧れます。人生で一度は味わってみたいものです。

ルーフバルコニーに上ると、目の前には何も遮るものなく、瀬戸内海が広がります。瀬戸内海の凪は、海といえば福岡の玄界灘で育った私には湖のように見えました。

土を耕して野菜を作り、ヤギや鶏を育て、古民家と倉庫をリノベーションして自然の中で暮らすご夫婦。多くの人が一度は夢見る移住生活が、そこにありました。

瀬戸内の海を眺めつつ……(写真:筆者提供)
次ページテトラポットの「土」の正体
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事