1950年にできたゴルフ場利用税は、都道府県が課しており、ゴルフ練習場の利用には課されない。当初は「贅沢税」の考え方だっただろうが、ゴルフ人口が増えるにしたがってかなりの「税収」を見込めるようになったのだろう。今では、特に地方自治体には欠かせない財源になってしまっている。
ゴルフ場利用税が「ゴルフ場、ゴルファーのために使われる」なら名称はいやだが、取られてもいいかなとも思う。ただ、使われ方には疑問がある。
二重課税に悩むゴルファー
消費税が導入されてからは、ゴルファーは消費税とゴルフ場利用税の両方を支払う二重課税をされるはめになり、ゴルフ場利用税撤廃運動も盛んになって きた。特に、五輪種目にゴルフが復活してからはその声が高くなった。確かに五輪競技のプレーそのものに課税するのは、スポーツの発展、育成からずれてい る。
18歳未満、70歳以上、障害者は課税されないが、「金メダルを目指せ」と鼓舞しながら高校を卒業したら「税金払え」、「高齢化社会の生涯スポーツ」と奨励しながら70歳までは「税金を払え」ということなのだ。
ゴルフ場でゴルフ場利用税廃止運動推進本部が出しているパンフレットを見かけた。廃止させたい人も、廃止させたくない人もいる。パンフの中で紹介している「ゴルフ場利用税堅持のための全国市町村長連盟」なる組織から国会議員に配布された要請書がこっけいなもので、廃止運動側が要望書の「税存続の根拠」に挙げている事項について注釈をつけて反論している。
→(注釈)「多くのアクセス道路はゴルフ場側が作って自治体に寄付し生活道路として活用されている」
→(注釈)「ごみは廃棄物処理法にのっとり、ゴルフ場が有料で処理している。救急、消防はゴルフ場だけが受けているものではない」
→(注釈)「ゴルフ場自らが実施していること」
→(注釈)「ゴルフ場開発では森林50%を残し、残りの45%は芝地で多様な生物相をもっている。農薬・水質調査もゴルフ場が行っている」
挙げればきりがないのでこの辺にするが、税存続を希望している自治体が「利用税を使ってこんなにいろいろなことをやる必要があるんですよ」という根拠は、多くをゴルフ場側に押し付けていることを自ら白状してしまったような文書になっている。
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