「『監修』が嘘ってこと?」 高級サウナでの死亡事故《監修のジローラモ氏》が「とばっちり」「無関係」とは言い切れないワケ

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あくまでも「広告タレント」としての出演であれば、責任は限定的である――というのが一般的な見解だ。

広告出演者が事業の詳細を知っているわけでもなければ、経営に対する責任を負っているわけでもないことを考えると、「責任を負う必要はない」という主張にも十分な根拠がある。

今回のジローラモ氏のケースを素直に受け取ると「監修と表記はしていたが、実際は広告塔にすぎなかったし、しかも過去のことで、現在は関係ない」ということになる。そうだとすると、なぜわざわざ「監修」という言い方をしたのか? という疑問が生じる。

SAUNATIGER
「SAUNATIGER」のオリジナルアパレルのモデルにもジローラモ氏が起用されていた(写真:運営会社のプレスリリースより)

最近は、有名人が企業と「コラボ」したり商品やサービスの「監修」をしたりするケースが多く見られる。

その背景には、広告が信頼されなくなっているという事情がある。いまや有名タレントがテレビCMに出演して商品をアピールしたところで、消費者に「本当にこのタレントがこの商品が好きなわけじゃないだろう」と見透かされてしまう時代になっている。

一方で、商品やサービスが飽和する中で、好きな人を応援する「推し消費」が浸透している。

「監修」「コラボ」などと銘打たれると、有名人が企業や商品を愛し、深く関与しているように見えるし、「推し」が関わった商品なら購入したいという消費者も多いだろう。

商品やサービス側からすると、消費者に信頼性や愛着を抱いてもらいやすくなるというメリットがある。ただし、有名人がどこまで深くコミットしているかと言うと、ケースバイケースだ。

有名人の「監修」「コラボ」はハイリスク・ハイリターン

有名人の「監修」あるいは、有名人との「コラボ」はメリットも大きい反面、リスクも大きい。一方に問題が起きた際に、他方に飛び火してしまう可能性が高まるからだ。

最近の事例でいえば、25年9月にコンビニ大手・ファミリーマートとお笑いタレントの江頭2:50氏がコラボ商品「旨辛トルコ名物!伝説のケバブ風味ポテトチップス」を発売した。

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