「『監修』が嘘ってこと?」 高級サウナでの死亡事故《監修のジローラモ氏》が「とばっちり」「無関係」とは言い切れないワケ

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一方のジローラモ氏についてだが、運営会社は以下のように説明している。

当社ホームページ上において、パンツェッタ・ジローラモ氏による『監修』との表記をしておりましたが、これは、オープン当初の2022年9月から2024年2月までの期間、ジローラモ氏よりサウナタイガーのPRのご支援をいただき、その後も掲載が継続していたものです。

これを読むと、ジローラモ氏には責任がないようにも見える。

一方で、サイト上に同氏の名前が載っていたことで、施設の宣伝になっていたり、ブランドイメージの向上に寄与したりしたであろうことを考えると、事故に対してはさておき、サウナ経営とは「無関係」とは言えないように思う。

事故に対する責任はおよばないとしても、消費者をあざむく行為を行ったという点で、「無関係」とは言えないし、まったく責任はないとは言えないのではないか。

最近は以前のようにテレビなどでジローラモ氏を目にする機会は減っているが、事務所に所属して、芸能活動を行っていることを考えると、リスク管理が甘かっただろう。

サウナ側が勝手に掲載していたのか、ジローラモさん側が承諾したうえで掲載していたのか――という点は気になるところだ。

SAUNATIGER
「SAUNATIGER」の運営会社がサイトに掲載した文章(写真:SAUNATIGER公式サイトより)

「広告タレント」としての出演だけなら責任は問われず

サウナ側によると、ジローラモ氏は過去にPRの支援をしていたとのことだが、単に広告に出演していたというレベルの話であれば、責任はかなり限られる。

2018年に暗号資産取引所「コインチェック」で、580億円相当の暗号資産が流出する事件が起きた。

同社のCMに出演していたお笑いタレントの出川哲朗氏に責任を問う声も出ていたが、実質上の責任を問われることはなかった。もっとも、出川氏の一時的なイメージダウンは免れなかったが――。

暗号資産つながりでいえば、22年にアメリカのFTXトレーディングが破綻した際に、同社と広告契約を結んでいたメジャーリーガーの大谷翔平選手やプロテニスプレイヤーの大坂なおみ選手を含む著名人が投資家らから提訴されたが、大半が棄却されている。

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