レースで「ブロッコリーやピザ」を表現 相場の2~3倍でも『近沢レース店』のタオルハンカチが飛ぶように売れる納得理由

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

新型コロナウイルス禍前に年間30万枚だった生産枚数は、今や年間約200万枚。なかなか手に入らないことから、流通量を絞っているのでは?という声もあるが、「純粋に私たちの生産キャパシティーの限界。もう日々全力で作っています」(近澤社長)。

ちなみに、タオル地部分に模様の入ったジャガード織はまた別の技術のため、他工場で作っているというが、それでも、近沢レース店の成長に生産体制が追いつけていないのが実情だ。

市場の枯渇感を少しでも払拭するべく、販売方法も事前予約の頒布会などを取り入れ、買い占めが起こらないよう一部店舗では購入数の制限も行う。直営店13店舗以外にも、現在40を超える取扱店で販売をしており、販売チャンネルは増えているが、それでもどこをのぞいても品切れ状態が続いている。

近沢レース店のタオルハンカチの歴史

もともとタオルハンカチは、バスタオルなどのタオルコレクションの1シリーズとして展開していた。それが周囲にぐるりとレースを巻いたことで、徐々に人気アイテムになってきたという。最初はまだ白いレースの花や幾何学模様だったが、桜の季節に桜モチーフなど季節感を徐々に出すようになった。

「イメージは和菓子屋さんの季節のお菓子。普段売っているのは大福や羊羹だけど、季節になると桜餅や柏餅など季節を楽しめる。それをタオルハンカチでも表現したかった」(近澤社長)

タオルハンカチの前身として、近沢レース店では花の刺繍をした季節のインテリアを提案したりしていた。「インテリアで成長した会社なのでインテリアに固執していたが、ライフスタイルの変化により需要は縮小してきた。そこを押して使ってもらおうとしていたが、それは土台無理な話」(近澤社長)で、新たな市場を求めて、新商品の企画や販路開拓の模索が始まった。

そんな中、「コミュニケーションデザイン」という考え方に出会う。

「しゃべるのも、メールも、手紙もコミュニケーション。それらとデザインが融合することで人から人へとつながっていくきっかけになる。レースの歴史など伝えたいことはたくさんあるが、それだとマニアックすぎて、発想自体がある意味男性的。本来レースの持つ表現力を考えると、それ自体がコミュニケーションツールになるのがいいと考えた。

『パッと見たら赤と白のエレガントなレースに見えるけれど、実はお寿司なんだよ』となると、そこから会話が生まれるし、横浜土産に赤い靴がモチーフになっているレースのタオルハンカチを買ってきたら、それがコミュニケーションになるかもしれない」(近澤社長)

次ページイメージが重なるシーンをSNSで発信する人も
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事