25年の《年間ドラマ視聴率ランキング》が示す「優勝劣敗」 TBSが上位独占、テレ朝が最多選出…"多様性を失ったTOP10"に懸念も
とくに前半の佐藤浩市が演じた山王耕造の圧倒的な存在感が、ドラマの面白さになった。偏屈で断固、人当たりはきついが、根は優しく、誰もを惹きつける人間力のある人物であり、それを佐藤浩市が体現したからこそ視聴者は物語に引き込まれた。
代替わりしてからの後半は、物語の奥行きや重厚さに欠ける感は否めなかったが、最終話のラストは見事だった。数字的にも有終の美を飾り、秋ドラマで唯一、全話2桁に乗せたドラマとなり、文句なしの堂々の年間1位に輝いた。
SNSのリアクションは正反対だった2位と3位
続く2位と3位は、『キャスター』(TBS系)と『御上先生』(TBS系)。
前者は、“視聴率低迷にあえぐ報道番組のメインキャスターの奮闘”をテーマにした物語。その内容はというと、テレビ局の不祥事を巡るマスコミへの世の中の不信感や、その報道姿勢に自省や批判も含めて切り込む物語が期待されていたが、リアルから離れて話が進む、エンターテインメント寄りのサクセスストーリーだった。
また、不運にも主要キャストの不倫疑惑騒動によって、場外乱闘的な話題のほうが大きくなり、ドラマに集中しにくくなってしまった面がある。ただ、その物語に対しても、SNSでは辛辣な声が少なくなかった。それでも、話題作に恵まれなかった春ドラマでは、唯一の2桁での1位となった。
後者の『御上先生』は、東大卒のエリート文科省官僚を主人公に「教育のリビルド」をテーマにした学園ドラマ。学園要素を素地にした社会派サスペンス復讐劇のなかに、教育ドラマの要素が盛り込まれ、斬新な設定とストーリー性が視聴者を惹きつけた。
また、巧みなミスリードもあり、最後の最後まで真相がわからない展開に、SNSでは考察視聴が盛り上がった。数字も評判も申し分ない冬ドラマのNo.1だ。
今年のTOP3はTBS日曜劇場が占めた。また、同枠の年間4本のうちのもう1本『19番目のカルテ』も5位にランクイン。TOP3を独占し、TOP5に年間全4本をランクインさせる同枠の独壇場となった。



















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