「今の日本には贅沢品」「中国に利益がいくだけ」「かわいい動物はいっぱいいる」 パンダ返還で盛り上がる《パンダ不要論》が意外と"ド正論"のワケ

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まずあげておきたいのは、不要論の具体的なコメントについて。下記にネット記事のコメント欄やXに書かれているものをあげていきましょう。

「パンダはかわいいけど、ほかにもかわいい動物はいっぱいいる」
「パンダは中国に返して日本は他の絶滅危惧種を保護すればいい」
「多額のレンタル料は、他の動物の飼育環境充実に使ってほしい」
「日本で生まれた子も返さなければいけない理不尽な契約ならこのタイミングでやめたほうがいい」
「レンタル料や飼育費用を考えると今の日本には贅沢品」
「見たい人だけ中国へ行けばいい。それこそ台湾で見ればいい」
「政治に利用されていると思ったらかわいく見えなくなった」
「『経済効果が高い』というが、ごく一部の人や中国に利益がいくだけ」
「見たことがないし、今後も見なくていい。こういう人のほうが多いと思う」
「総理が交代するか政権交代が起きたらまた来るんじゃないの」

読んでいて驚かされたのは、清々しいくらいの正論ばかりであること。もちろん日中問題への不満や怒りを交えたコメントもありましたが、それ以上に「いらない理由」を冷静にあげる声が目立ちます。

検索サイトに「パンダ」と入力すると、「レンタル料金」「日本」「イラスト」「何科」「返還」に交じって「いらない」という予測変換ワードが表示されました。

パンダは上野に限らず動物園の中でも人気の動物であることに疑問の余地はないものの、それでも「絶対に必要」「年に一度は見に行きたい」という人はどれだけいるのか、と言えば少数派なのかもしれません。

パンダ必要派に「寂しい」「悲しい」以外の理由なし

一方、パンダを求める人々はどんな主張があるのか。その答えは主にテレビの報道・情報番組で見られます。

報道・情報番組の定番は、パンダ好きや上野アメ横商店街の人々へのインタビュー。さまざまな年齢層の男女に話を聞いていますが、どの番組も出てくるコメントは「寂しい」「悲しい」ばかりであることに気づかされます。

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