3920戸マンモス団地が進めるコミュニティ再設計、イベントで見えた変化の兆し。建物も住民も高齢化→若者・子育て世帯に"選ばれる"団地へ
出店をぶらぶらのぞいたら、手芸作品を販売しているコーナーがあった。話を聞くと、「手芸カフェ」に集まる人たちが、作品を販売しているのだという。毎月、団地の商店街にあるシェア会議室に茶菓子を持ち込んで、それぞれがなにかしらの作品を制作している。メンバーは、団地の住人もいれば周辺の住人もいて、毎回3~6人が集まっているそうだ。
今回手芸カフェは、「ヤーンボミング」にも挑戦した。ヤーンボミングとは、カラフルな編み物を公共の場(今回は公園の樹木)に巻き付けて装飾する、ストリートアートのこと。メンバーでない人からも作品が寄せられて、飾る樹木を1本増やしたという。
ミニちゃぶ台(2500円)の制作コーナーもあった。すでにカットされている材料を組み立てて、小さなちゃぶ台を作って持ち帰るわけだが、当日は自室に飾るという若い男性や孫にあげるというシニア女性などが訪れたという。
「新しい団地の日常風景をつくりたい」
それぞれの出店で話を聞いているうちに、チンチンドンドンという大きな音が聞こえてきた。センター広場に設えられたステージの最後の演者、「町田出港バンド」が商店街を練り歩き、開演を伝えていた。この音に子どもたちも集まってきて、彼らと一緒に歩いている。ブレーメンの音楽隊のよう!?
ステージに到着して、客席に座る子どもたちが、縁起物の獅子舞に頭を噛まれて“厄除け”をした後、演奏が始まった。始まる前から席に座って待っていた観客の一人から「お帰りなさい」と声がかかる。このイベントで毎回演奏しているので、固定ファンがいるようだ。気が付くと大勢の観客が集まっていた。
このイベントの企画運営をしているのは、YADOKARI株式会社の「まちやまプロジェクト」の面々だ。この日は自らも、団地を探検して植物を集めたり、団地あるきをしながらベストポイントでピクニックをしたりといった、子どもたち向けのイベントを行っていた。
こうしたイベントを行う狙いなどを「まちやまプロジェクト」に聞いた。が、その前に、町田山崎団地とはどんな団地かを説明しておこう。



















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