「誕生日プレゼントの代わりに整形を」 広がる小児の美容整形"親や医師の言い分"は?現場医師に美容現場の実情と課題を聞いた

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しかし、なかには来るもの拒まず施術を行う、悪質なクリニックも存在する。そのことも、小児の美容整形の増加に拍車をかけている。

悪質なクリニックを見抜くには…

エラから顎先までの骨を切って整えるVライン形成を受けた10代男性(写真:銀座マイアミ美容外科提供)
エラから顎先までの骨を切って整えるVライン形成を受けた10代男性(写真:銀座マイアミ美容外科提供)

では、悪質なクリニックを避けるにはどうしたらいいのか。

「まず認識しておくべきなのは、“広告の出し方がうまいクリニック=施術の腕がいいクリニック”ではないということです。広告費やSEO対策に投資すれば、経験や実績が乏しいクリニックでもネット上で簡単に上位表示されます。つまり、皆さんが目にしているクリニック情報には、すでに多くのバイアスがかかっている可能性が高いんです。

もし子どもの美容整形を真剣に検討するのであれば、その点を踏まえたうえで、時間をかけて信頼できるクリニックを複数ピックアップしていく作業が欠かせません」

ネットで上位表示されるクリニックのなかには、悪質なものもあるーーーそうなると、いったい消費者はどのような点に着目してクリニックを選んだらいいのだろうか?

「小児の美容整形という観点で言えば、まずはクリニックの公式ホームページにアクセスし、医師のプロフィールを確認してください。

以下を満たす医師が在籍しているかを確認
① 形成外科の出身である
② JSAPS(※)の専門医に認定されている
③ 大学病院での長期勤務経験がある
④ 子育て経験がある
(※)日本美容外科学会(JSAPS)…一般社団法人 日本美容外科学会

この4つを満たす医師が在籍していれば、一度カウンセリングを受けてみてもよいと私は考えています。

④はプロフィール上ではわかりにくいため、まず①〜③を確認し、カウンセリング時に“先生ならこんな時、自身のお子さんにどう対応しますか?”といった質問をして、さりげなく子育て経験の有無を探ってみるといいでしょう。

①〜③は美容外科医としての基本的な技量や経験を判断する材料になりますし、④の子育て経験があると、子どもの心理や気質に対する理解が深い医師である可能性が高いため、より安心して子どもを任せやすくなるかと思います」

悪質なクリニックを避けるためには、こうした知識をしっかり持ち、消費者自身が賢い選択をできるようになることが重要だと丸山氏は語る。

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