「誕生日プレゼントの代わりに整形を」 広がる小児の美容整形"親や医師の言い分"は?現場医師に美容現場の実情と課題を聞いた
「今の子どもたちはSNSや動画を通じて、日々モデルやインフルエンサーたちの“理想化された容姿”を目にするのが当たり前になっています。“自分もこうなりたい”という憧れが、整形への関心を高めているのでしょう」
そして、子ども側の環境変化だけでなく「親の意識の変化」も、小児の美容整形が増えている背景として見逃せないと丸山氏は指摘する。
「誕生日プレゼント代わりに整形を」親たちの価値観
「ネット上の影響を受けているのは子どもだけではありません。親世代の整形やルッキズムへの捉え方も、昔とは大きく変化しています。いい意味でも悪い意味でも、美容整形に対する心理的ハードルが下がっているのを感じます」
驚くべきことに、過去には「誕生日プレゼントの代わりに子どもに整形をさせたい」と相談に訪れた親もいたという。
「ほかにも、“もうすぐクリスマスだから”とか、“自分も受けたから子どもにもやらせたい”といった、比較的軽い気持ちで来院されるケースもあります。
しかし、小児の美容整形は決して気軽に踏み切れるものではありません。当院では、治療的観点・美容的観点の双方から見て、明確にメリットがデメリットを上回ると判断できる場合のみ施術を行っています。そもそも、適切な判断には専門的な知識と技術が不可欠で、小児の美容整形は“プレゼント代わり”などと安易に扱えるものではないんです」
一方で、親だけが強く整形を望み、子ども本人は無関心に近いケースも少なくないという。
「当院を含め、多くのクリニックでは小児のカウンセリングは必ず保護者同伴で行います。子ども自身がさほど整形を希望していない場合、カウンセリングの段階ですぐにわかります。
親が熱弁するのとは対照的に、当の子ども本人は言葉を詰まらせたり、どこか上の空だったり。“なぜ整形したいのか”を本人が説明できないようなら、その時点で施術を行うべきではありません」



















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