そもそも「縁起」とは何か
縁起は仏教が考える「世界の実体」だ。
縁起はとても重要な概念で、あらゆる現象が原因と条件によって生じ、消えることを指している。
この考え方によれば、世の中に独立して存在しているものなんてない。あらゆるものが時間的に、あるいは空間的に、ほかのものと絡まりあった因果の歯車のもとに置かれているというのだ。
例として、北斗七星を挙げてみよう。
夜空に浮かぶ北斗七星は、昔の航海士たちの道しるべとなり、長い夜におばあちゃんが聞かせてくれる物語になり、実際に僕たちの暮らしに影響をおよぼしてきた。
ところが、北斗七星に実体はない。その7つの星は、地球からの距離がそれぞれちがい、それによって光が到達する時間もバラバラだ。僕たちの目には一度に入ってくるこの星々は、実際には異なる空間にそれぞれ存在していた“痕跡”だ。
僕たちはこれらを勝手にまとめて、1つの実体として理解しているだけなんだ。
ブッダはあらゆるものの実体がこれと同じだとしている。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら