『M-1グランプリ2025』をお笑いライターが解説!「真空ジェシカは磨きがかかっている」も、最注目は意外なコンビ

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ママタルトの大鶴肥満と檜原洋平は、2年連続のファイナリスト。昨年、残念ながら最下位という結果に終わったものの、すぐに持ち直してファイナリスト入りを決めるバイタリティーには感服する。大柄でよく動く肥満に対し、柔和な顔の檜原が独特の言い回しでツッコミを入れていく。このスタイルが、今年こそ決勝の観客にフィットするか。 

ママタルト(画像:M-1グランプリ公式)
ママタルト(画像:M-1グランプリ公式ホームページ)

ヨネダ2000の誠と愛のネタからも、彼らに近いタフさを感じた。今年は22年以来3年ぶりの返り咲き。「どんな芸風か」を知られた中で決勝まで勝ち上がる説得力に痺れる。準決勝では、相変わらず奔放なスタイルで観客を魅了していた。今大会最も自由度の高いコンビが、頂点へと駆け上がることになるかもしれない。

出番順にも注目

常連組のすごさは、ネタ以外にも感じられる。例えば真空ジェシカやエバースは、『M-1』決勝で注目を浴びた後、『ラヴィット!』(TBS系)や『アメトーーク!』(テレビ朝日系)といった人気番組に出演し、テレビタレントとしても活躍し始めている。

しかし、その立ち振る舞いとネタ中のキャラクターとの間にギャップがなく、「ネタより素のほうが面白い」とは判断されていない。それゆえ、いまだ『M-1』の予選会場で受け入れられているのだろう。意図したものかは別として、常連組が漏れなくこれをキープしていることに改めて感心する。

他方、決勝の審査員は、昨年に引き続き9人制となった。礼二(中川家)、山内健司(かまいたち)、塙宣之(ナイツ)、博多大吉(博多華丸・大吉)、哲夫(笑い飯)、柴田英嗣(アンタッチャブル)、海原ともこ(海原やすよ・ともこ)が続投し、今年は若林正恭(オードリー)、石田明(NON STYLE)に代わって駒場孝(ミルクボーイ)、後藤輝基(フットボールアワー)が『M-1』では初の審査員を務める。

昨年と同じく、変に忖度することのない率直なコメントと採点に期待したいところだ。

また例年どおり、出番順は笑神籤によって決定される。令和ロマンが2年連続トップバッターから優勝しているだけに、この点にも注目したい。果たして、21回目となる大会を制するのはどのコンビなのか。本番を心待ちにしている。

鈴木 旭 ライター/お笑い研究家

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Akira Suzuki

2001年から東京を拠点にエモーショナル・ハードコア/ポストロックバンドのギターとして3年半活動。脱退後、制作会社で放送作家、個人で芸人コンビとの合同コント制作、トークライブのサポート、ネットラジオの構成・編集などの経験を経てライターに転向。現在、『withnews』『文春オンライン』『現代ビジネス』『FRIDAYデジタル』といったウェブ媒体、『週刊プレイボーイ』(集英社)などの紙媒体で記事執筆中。著書に著名人6名のインタビュー、番組スタッフの声、独自の考察をまとめた『志村けん論』(朝日新聞出版)がある。

 

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