『M-1グランプリ2025』をお笑いライターが解説!「真空ジェシカは磨きがかかっている」も、最注目は意外なコンビ
今大会一番のダークホースと言えば、めぞんの吉野おいなり君と原一刻になるだろう。16年にコンビを結成。同年から『M-1』に挑戦するも、3回戦の壁に突き当たり、鳴かず飛ばずの状態が続いていた。
若い世代は、フォロワー数、登録者数が70万人以上を誇るTikTokおよびYouTubeチャンネル『板橋ハウス』(20年10月、同期芸人である軟水・つるまる、ピュート・竹内智也、吉野の3人で共同生活を開始。これを機に立ち上げた動画コンテンツ)で吉野の存在を知った人も多いかもしれない。
昨年の『マイナビ Laughter Night』チャンピオンLIVEで特別賞にあたるマイナビ賞を受賞、今年の『ツギクル芸人グランプリ』決勝進出と、この2年でようやく賞レースでスポットが当たり始めた。
吉野のオタク気質な物言いに翻弄され、後半に向かって原の感情が高ぶっていく。この掛け合いが、決勝の舞台で番狂わせを起こすかもしれない。
常連組、返り咲きのすごさ
一方の常連組であるエバースの佐々木隆史と町田和樹、真空ジェシカの川北茂澄とガクは、準決勝でも抜け目のない漫才を披露していた。
エバースは今年の『ABCお笑いグランプリ』で優勝、『M-1』では2年連続(昨年は4位)で決勝進出を果たした。真空ジェシカは、驚異の5年連続(昨年は3位)の『M-1』決勝進出。かつての笑い飯を彷彿とさせる。
準決勝では、各々の持ち味を残しつつ、よりブーストさせたネタを披露していて驚いた。エバースはフィジカルが強化され、真空ジェシカはわかりやすさとインパクト、展開に磨きがかかっている。いずれも今年こそ王者の座を射止めたいところだろう。
ヤーレンズ、ママタルトの2組も『M-1』の顔となっている。ヤーレンズの楢原真樹と出井隼之介は3年連続(23年は準優勝)の決勝進出。筆者は今年開催された彼らの単独ライブを観ているが、小ボケを畳みかけるスタイルはそのままに、昨年よりも自分たちがやりたいことを押し出している印象を受けた。
今月8日放送の『ヤーレンズのダダダ団!』(ABCラジオ)の中で楢原は、「(筆者注:去年は)優勝できないならもう出んの嫌だなと思ったの。(中略)今年あんまり、まぁこんなこと言うことじゃないですけど、優勝あんまり考えてないです。本当に。去年と違うところはそこかもしれない」と語っている。このフラットな状態が、結果にどう影響を及ぼすのか。



















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