「幹事だけポイント貯まるのずるくない!?」 → 「いや、幹事クソ大変だから」と批判続出…《S.RIDE》の広告が"不適切ではない"のに取り下げのワケ

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筆者としては、表現が不適切なものでなければ、取り下げも謝罪も行う必要はないと考えている(場合によっては、行ってもよいとは思うが)。

ほっかほっか亭、ミツカンのXへの投稿は、不快に思った人が少なからずいたのかもしれないが、投稿内容自体に問題があるとは言えないので、必ずしも取り下げる必要はないだろう。

「今日の仕事は楽しみですか。」の広告は、表現自体は不適切とは言えなかったかもしれない。ただし、不快に思ったビジネスパーソンが多数いて、SNSでも多くの批判が起きていたため、取り下げたことは適切だったのではないか。

この事例は、キャッチコピーの内容だけでなく、品川駅のコンコースという、通勤の混雑でイライラしがちな環境の中、くどいくらい大量にメッセージが掲示されていたことも、怒りを増幅させてしまう要因になったと考えられる。

「幹事だけずるい」広告の取り下げは適切

では、今回のS.RIDEの件はどうだろうか? 少し行きすぎた表現をしてしまった――というところで、「炎上した」とまでも言えないように思える。「取り下げない」という選択肢もありえただろう。

ただし、批判的な意見が「ただのイチャモン」とも言いがたく、それなりに根拠があるものだったという点も事実だ。

総合的にみると、広告の掲出を終了したことは、継続するよりは適切な判断だったと言える。

批判的な意見に流されることは好ましくない一方で、根拠のある批判には真摯に耳を傾けることも重要だ。

西山 守 マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授

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にしやま まもる / Mamoru Nishiyama

1971年、鳥取県生まれ。大手広告会社に19年勤務。その後、マーケティングコンサルタントとして独立。2021年4月より桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授に就任。「東洋経済オンラインアワード2023」ニューウェーブ賞、東洋経済オンラインアワード2025」MVP賞受賞。テレビ出演、メディア取材多数。 日本広告学会評議員、クリエイティブ委員会副委員長。 著書に単著『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』(宣伝会議)、共著『炎上に負けないクチコミ活用マーケティング』(彩流社)などがある。

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