「幹事だけポイント貯まるのずるくない!?」 → 「いや、幹事クソ大変だから」と批判続出…《S.RIDE》の広告が"不適切ではない"のに取り下げのワケ
82年のTOTOウォシュレットのCM「おしりだって、洗ってほしい」は、現在では歴史に残る名CMとされているが、放映された当時は「下品だ」とかなりの物議をかもした。なお、このCMは取り下げにはなっていない。
91年のエーザイチョコラBBの「世の中、バカが多くて疲れません?」のCMは批判を受けて表現が変えられる事態となった。
インターネットがなかった時代は、批判的な声はお客様相談窓口で受けるのが主体で、世の中に広く知れ渡る機会は少なかった。マスメディアが報道することもあるにはあったが、よほどのケースであった。
一方で、SNSが普及した現代では、広告に限らず、さまざまな表現が批判にさらされる状況になっている。
なぜ「物議をかもす広告」が作られ続けるのか?
そもそも、広告は人々に好感を抱いてもらうためのものだ。SNSで叩かれやすい環境にあるのはわかるが、どうして批判が頻繁に起きてしまうのだろうか。
クリエイターもその点は理解しているはずなのだが、当たり障りのない表現にとどまってしまうと、インパクトが薄く、人々の記憶に残らない広告になってしまい、効果も弱くなってしまう。情報があふれる現代だからこそ、インパクトのある表現をしないと目立てない――という事情もある。
加えて、共感と反感は相反するものではなく、裏表の関係にあるものだと言ってよい。ある人が共感するような表現を、別の人は反感を覚えることもある。また、同じ人が共感と反感の両方を抱いてしまうような表現もある。
このたび物議をかもした「忘年会、幹事だけポイント貯まるのずるくない!?」というキャッチコピーに対しても、共感を抱く人は多いのではないかと思う。
忘年会のシーズンに上記のようなキャッチコピーを使って、「タクシーアプリの利用でポイントが貯まる」というアピールを行ったことは、狙いとしてはよく理解できる。



















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