「忘年会参加したくない」50代が多い"切実なワケ" 若者の飲み会離れはウソ? 参加意欲が低い世代、高い世代の意外な結果

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さらに深刻なのが「ハラスメントリスク」への警戒である。

Job総研の調査まとめでは、こう分析されている。「特に40〜50代では、役職者としての立場や、ハラスメントに配慮した発言・振る舞いを意識せざるを得ないことから、飲み会でのノリに馴染みにくい」

つまり、上司世代は「楽しむ側」から「気を遣う側」に変わってしまったのだ。

私は企業の現場に入ってコンサルティングをしている。そこで40代50代の管理職から、こんな声をよく聞く。

「下手なことを言うと、ハラスメントで訴えられそうで怖い」
「プライベートの話を振っていいのか、わからない」
「昔のように冗談を言えなくなった」

私も『若者に辞められると困るので、強く言えません』(東洋経済新報社)という書籍を出版した。多くの管理者層から反響があった。

忘年会文化は本当に必要か?

パワハラ防止法の施行以降、上司たちは発言に神経をすり減らしている。とくに飲み会の場はリスクが高い。お酒が入ると、つい口が滑る。録音されているかもしれない。そんな恐怖を感じている管理職は少なくない。

ある製造業の部長は、こう打ち明けた。

「忘年会で部下と話すとき、頭の中で『これはセーフか? アウトか?』と常に考えている。正直、疲れる。だったら参加しないほうがラクなんです」

「無礼講」という言葉がある。調査では、「無礼講の飲み会と言われた際の印象」として「リラックスの指示と受け取る」が37.3%で最多だった。しかし、上司の立場からすると話は別だ。部下が「リラックスしていい」と受け取っても、上司は気を抜けない。無礼講だからこそ、よけいに緊張するのである。

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