エミリーさんはガイドツアーにも参加した。見過ごしてしまいがちな風景も、例えば「これは人の遺灰でできている」と教えてもらうと、同じ仏像がより一層パワフルな意味を持って自分に迫ってくる。わからないことがあればホテルに戻って調べた。「それが毎日楽しくて。だから私にとって、京都が一番好きな場所になりました」。
平和を心に誓った、広島平和記念資料館
「広島のことは学校で習ったので、知識としては知っていました」とエミリーさん。
「でも地球の裏側で起きたことという感覚で……現実としてはイメージしきれていなかったのです」
資料館で目にした階段に写った人の影や焼け焦げた洋服、そして広島ドーム。初めてその地に立って心を寄せ、受け止め切れないほどの感情が溢れた。
資料館を出る頃には「二度とこのようなことが起きないように、世界中が一致団結しなければならない」とエミリーさんは心に誓った。
「人が多かったので隅っこで泣いていたのですが、振り返るとそこにいるみんなが泣いていたのです。だから私は『ああ、泣いていいんだ、だってみんな泣いてるんだから』と思ったのです」
パリに戻ってからも、ニュースは他国を攻撃する話で溢れている。
「みんなに問いかけたいです。ここにもあそこにも核兵器があるけど、核兵器の本当の被害を、実際に見たことある? どうしてまたあの状態に戻るの?と……」だからこそ「広島への訪問は重要だ」と語る。



















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