"有能なファシリテーター"は誰でもなれる! 会議や議論を驚くほど円滑に進めるための「簡単な方法」
人数が多くなればなるほど、みんながしっくりくる言葉をチューニングしていくのがむずかしくなります。細かい言葉遣いにこだわると、時間もどうしても足りなくなります。ですので、きっちりした文章にしなくても、的の中心を射抜くキーワードをいくつか見つけ出せればOKとするのも、大人数の本質観取における一つのコツと言えるかと思います。
会話に平等に参加できる人数は、原則4人
この場合の小グループの人数は、経験的には4~5人くらいがよいようです。先ほど、6人未満だと思考の多様性が不足すると言いましたが、参加者が何十人もいる場合は、全体対話をすればその心配がなくなります。4~5人だと、全員が対話に参加しやすくもなります。
ちなみに、全員が会話に平等に参加できる人数は、原則4人であるという研究があります(ロビン・ダンバー『なぜ私たちは友だちをつくるのか』2021年)。居酒屋などでの会話を観察しても、それはすぐに見て取れます。
たとえば8人グループの場合、かなりの確率で、時間が経てば4人ずつくらいに分かれて会話がなされるようになるはずです。もし8人でずっと会話がなされるとしたら、それはほぼ例外なく、誰かが会話をある程度支配している時です。
本質観取は、そうした自然な会話とは異なり、ファシリテーターがいますので、小グループに分かれる際、必ずしも4人にこだわる必要はありません。でも4~5人だと対話が活性化しやすいのは確かです。
いま言ったように、グループに分かれた際も、原則、グループファシリテーターを置くといいでしょう。ファシリテーターの選び方は、時と場合に応じてさまざまですが、自ら挑戦したい人がやるのが一番いいのではないかと思います。あるいは、「誕生日が今日から一番早くに来る人」「会場から自宅が一番遠い/近い人」など、みんなでいろんな選び方を工夫していただければと思います。


















