ベネトン、プラダ、フェラーリ…≪残業なし、家族最優先≫で独創性と最高品質を生み出すイタリア人!日本の会社とは大違いの働き方に驚愕!
一人で数人分の仕事をこなせるようになったケースや、離職者がほぼ皆無になった会社もある。慢性的な人手不足と若手の早期離職、そして世界最低水準のワークエンゲイジメント(仕事への熱意)と労働生産性の低迷に悩む日本企業にとって、自営型社員は救世主となるだろう。
個人が独創性を追求するイタリアの伝統
先月、自営型先進国の最新状況を調べるために、イタリアの企業を何社か回った。その調査から見えた主な強みは次の3つである。
・全員が同じ目線で「唯一無二」の商品を開発する
・社員が「自由に」意見を言い合う
イタリアに注目したのには理由がある。イタリアは日本と同様に中小企業が大きな比重を占め、家族主義経営の伝統がある。「家族主義」というと保守的なイメージが強いが、イタリアでは独創的なデザインや高い品質で世界に存在感を示している企業が少なくない。ベネトン、プラダ、アルマーニ、フェラーリといった有名企業も家族経営から出発し、その多くはいまでも家族主義の伝統を守っている。
たとえば、著名な弦楽器「ストラテヴァリウス」を生んだ弦楽器製作の聖地クレモナ。そのクレモナを代表するヴァイオリン製作者、故フランチェスコ・ビッソロッティの工房はいま、遺された家族によって経営されている。家族それぞれがまとまった仕事を一人でこなせるが、役割は一応決められていて長男が会計関係の仕事に携わり、次男がヴァイオリンの製作を担っている。
60代の次男マウリーツィオ氏は、材料の選定、加工からすべての工程に徹底してこだわり、世界に1つしかない「作品」に仕上げる。製作中は、自分だけの空間で作業に没入しているという。彼は、「1つのものを自分で手塩にかけて作るから質の高い製品ができるのであって、分業では絶対に不可能だし、作る楽しみもないだろう」と語った。
個人が独創性を追求するイタリアの伝統は、あらゆる業種に脈々と受け継がれている。ミラノやローマを拠点にジェラートを製造・販売する会社テラジェラートは、元経営コンサルタントのジャンフランコ・サンポ氏によって2016年に設立された。彼は一貫して唯一無二の商品を提供することと、高い生産性を実現することの両立を追求してきた。たとえば大量生産が可能な機械を導入しながら、それを改良していかにユニークな商品を作るか、店員たちと同じ目線で考え、議論し続けているという。
また経営理念に「個人の尊重」を掲げるこの会社では、社長自ら社員一人ひとりの生活環境や生活習慣を把握し、勤務形態や勤務時間など可能な限り柔軟に働けるよう努めているそうだ。社員をリスペクトし、精神的に安心できる環境をつくらなければ客が満足する商品を作れないし、よいサービスもできないと考えているからだ。



















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