「そんなこと」で政権が大揺れ? 高市首相の"捨て台詞"で炸裂した《政治とカネ》不信のマグマ

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こうした「政治とカネ」問題をめぐる高市政権の対応については、各メディアの世論調査でも国民の根強い不満・批判は明らかだ。

共同通信社が15~16日に実施した全国電話世論調査では、高市首相に「政治とカネ」問題解決への意欲を感じるかどうかとの質問で、「感じない」が64.7%となり、「感じる」の27.6%を大きく上回った。それ以降の各種調査でも、国民の反応の厳しさは同様だ。

批判の的となった「裏金議員」への自民党の対応については、ここにきて石破前首相も各種情報番組などに出演した際、昨秋衆院選の期間中に当時の自民党執行部が裏金議員の所属する政党支部に2000万円を振り込んだことなどについて、「判断を誤った」と反省の弁を繰り返している。これに対して自民党内からは「高市首相への強い牽制」(自民党幹部)との見方が広がっている。

今後半月の対応が年明け以降の政権運営の試金石

そうした中、衆院会派「改革の会」で活動する無所属の衆院議員3人が28日、国会内で自民党の鈴木俊一幹事長と面会。自民会派に加わる意向を伝え、鈴木氏も受け入れた。これにより、自民・維新の連立与党の衆院会派は過半数(233議席)に到達した。

衆院での与党の過半数確保は約1年ぶり。参院の与党会派は計119議席と過半数まで6議席足りないままで、法案成立に野党の協力が必要な状況は変わらないが、衆院の優越を定めた憲法の規定により、政府が決めた予算案などは与党のみでの成立が可能となる。

一連の「不用意な発言」とも絡み合う形で、「日中対立」や「物価高」など難問への高市政権の対応に国民の不信感が広がっている。こうした中で、衆院での過半数確保が「高市首相の強気を後押しする」(側近)ことは間違いない。

ただ、「政治とカネ」や「衆院定数削減」が「今後の政権運営の大きなウィークポイント」(自民党長老)となるのは避けられない。「定数削減」のための会期延長の可否も含めて、「これから半月の対応が、通常国会の政権運営への試金石となる」(自民党の国対関係者)ことは間違いない。

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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