「そんなこと」で政権が大揺れ? 高市首相の"捨て台詞"で炸裂した《政治とカネ》不信のマグマ

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ただ、「ここ数年の『政治とカネ』問題をめぐる自民党の対応の拙劣さが、衆参選挙で敗北した最大の要因」(自民党の選対担当者)だったことは事実。だからこそ、与野党の別なく、「高市首相の発言は許せない」との批判が相次ぐ事態となっているのだ。

これにすぐ反応したのは、かねて「政治とカネ」を追及してきた野党陣営である。立憲民主党の蓮舫参院議員は27日、自身のX(旧ツイッター)に、「前総理からの引き継ぎを曖昧にしたまま、突然『そんなことより』『議員定数削減を』と話題をすり替え、言い放たれたことに驚きしか覚えません」と投稿した。

蓮舫X
高市首相の発言を批判する蓮舫氏の投稿(画像:蓮舫氏のXより)

これに先立つ26日夜には、共産党の田村智子委員長が自身のXで、「政治とカネの問題での国民の怒りや選挙での審判を『そんなこと』と切って捨てる。そして、民意切り捨てに直結する『定数削減』を総理大臣がやろうとけしかける。高市首相の本音が、予算委員会に続いて党首討論でも次々と露呈している」と厳しく批判した。

田村X
共産党の田村委員長がXに投稿した内容(画像:田村智子氏のXより)

さらに、党首討論で「非核三原則」の見直しで高市首相を追及した公明党の斉藤鉄夫代表は27日の党会合で、「企業・団体献金の規制は『そんなこと』なのか。政治改革への取り組みの姿勢に疑問を感じざるをえない」と不満を露わにした。

高市首相ににらみを利かせる維新の圧

相次ぐ批判の一方で、日本維新の会の吉村洋文代表(大阪府知事)は27日午後、府庁での定例会見の中で、記者団から「『野田総理、定数削減やりましょうよ』と議員定数削減について述べたことについての評価は?」と問われ、「議員定数に対して、高市総理が非常に強い思いを持たれているということを共有しました」と評価する姿勢を強調した。

そのうえで、「われわれが議員定数削減についてずっと公約で掲げ強い思いを持ち、そして連立合意にも組み込んだ。やはり議員定数削減、これは絶対に必要だし、やるべきだという思いを新たに強くしました」と語った。

これと並行する形で、維新の国対委員長を兼務する遠藤敬首相補佐官も27日、時事通信のインタビューで衆院議員の定数削減に関する自民党との協議が不調に終わった場合の対応を問われ、「連立政権からの離脱もありうる」と明言した。

連立与党である自民・維新両党は、定数削減に向けた大枠の工程を盛り込んだ、いわゆる「プログラム法案」を今臨時国会に提出する方針だ。これについて、遠藤氏は「12月17日までの今国会会期を延長してでも成立させるべきだ」と主張し、「(議員を)50人減らして(支出を)50億円を減らすことが大義ではない。『やるときはやる』と思ってもらえる政治姿勢が今、求められている」と力説した。

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