ドミノ・ピザ「3000円食べ放題」で元は取れるのか? 「意外と食べられそう」と思って最終的に食べた枚数

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ドミノ・ピザは2023年にピザの食べ放題を始めた。その理由について岡田リージョナルマネージャーは「イートインの利用客を増やすのが目的で試験的に始めた」と説明する。

なぜ宅配ピザのチェーン店がイートインの利用に注力したのだろうか。その背景にはコロナ禍によるピザ市場の変化がある。

(写真:筆者撮影)

ピザ協議会の調査によると、ピザの市場はコロナ禍の3年間で急成長し、2022年度には過去最高の約3278億円を記録した。ドン・キホーテやスーパーでも焼き立てのピザが店頭に並ぶようになり、ピザは特別な日に食べるパーティーフードの側面が薄れて、日常的な惣菜としての地位を強めた。

この市場の変化に合わせてドミノ・ピザは、コロナ禍で増えた日常的なピザ需要に応える戦略を取り始めた。そのひとつが、2020年に「お持ち帰り半額」と一緒に開始したイートインの強化だ。「お持ち帰り半額」を利用すると安い価格帯のピザは1000円未満で食べられることを知ってもらうために、食べ放題を始めたという。

「試験的な取り組みではありますが、地域に住んでいる人にドミノ・ピザをもっと身近に感じていただきたいですね。イートインではできたてをそのままお召し上がりいただけるので、宅配とは異なるおいしさを味わえます」(岡田リージョナルマネージャー)

(写真:筆者撮影)

ピザを“日常食”にするドミノ・ピザの戦略

このような「日常的に気軽に食べられるピザ店」を目指す取り組みは、近年のドミノ・ピザが注力していることでもある。例えば、2023年には直径18cmのピザとサイドメニューを2つ選べる「マイドミノ」を販売。ひとり客の好評を博し、1年間で400万食を突破するヒット商品に成長した。さらに、2024年7月にはピザを食べきりサイズの約15cmに変更した「ピザBENTO」へのリニューアルもしている。

また、店舗展開でも日常化を進める動きを始めている。2024年に京セラドーム大阪に店舗をオープンし、2025年には東京都・有明ガーデンのフードコートに初めて出店。京セラドーム大阪の店舗ではイベントに特化したピザとサイドメニューを販売し、フードコートでは「ピザBENTO」と「ドミノシェイク」を取り扱っている。

2025年に不採算の国内172店舗の閉店を発表したドミノ・ピザは事業の立て直し中でもある。イートインとテイクアウトを強化することでハンバーガー店のような身近な飲食店に変化し、勢いを取り戻すことはできるのだろうか。

中 たんぺい フリーライター

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なか たんぺい

1989年生まれ。グルメ・テック・Webエンタメに関わるヒト・モノ・コトの魅力を深掘りするライターとして活動を行う。メーカー勤務10年を経て独立。群馬県在住。

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