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4万時間かけて作られる25台限定の「ファントム・センテナリー」100年のストーリーが描かれたインテリアが超弩級!

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しかも、後部座席空間のカーブに合わせて45枚に分割し、なんでも紳士服ではいまも世界的評価の高いロンドンのサビルローの縫製技術を参考にしながら、立体的に縫い合わせていったんだそう。

後席シート用に7世代のファントムをモチーフにデザイナーが作成した図柄をプリントしたファブリックが用意された:Rolls-Royce Motor Cars)

さらに、そこにステッチを加えていって完成。前席から後席空間を眺めると、左から右へと、芸術作品を思わせる絵巻物となっている。

それだけでない。4枚のドアの内張りはマットなウッド製。ここにもファントムにまつわる物語が、レザーを使って立体的にエッチングとして展開しているのだ。

先代「ファントム」1号車が豪州パースに納品されるまでの4500マイルのルートがこのドアパネルのモチーフ(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

中には創業者のひとり、サー・ヘンリー・ロイス(1863-1933年)が避寒に訪れていた南仏の光景もある。サー・ヘンリーが描いたスケッチをもとに、下図が作成されたそうだ。

ビラ・ミモザと名付けられた南仏の館と、イギリス・ウエストサセックス州の海岸沿いの町、ウエストウィッタリングの家などが、2.76mm径にくりぬいた24金の金箔で表されている。

先代ファントム1号車オーナーの物語

もう1枚のドアの主題は、上記とは違う。イギリスのグッドウッドからオーストラリア・パースまで4500マイルを旅したエピソードだ。

BMW傘下に入って最初のファントム(先代)の1号車を購入したオーナーが、4500マイルの多くを陸路で旅した出来事にちなんだものである。

この歴史的な“行程”は24金の金箔で表現。場合によっては、ウッドを貼り足して立体感を出したウッドパネルに描かれる道が、細い金箔で表現されている。

手で貼られた金箔でルートが表現されている(写真:Rolls-Royce Motor Cars)

まるでアート作品のギャラリーのようなファントム・センテナリー。仕上げには、4万時間をかけたそうだ。

ロールス・ロイスでは2030年の完成を目指して、いまグッドウッドの本社工場の増設を行っている。

目的は増産、でなく、今回のような「プライベート・コレクションの“工房”を拡張すること」と、同社のクリス・ブラウンリッジCEOは説明してくれた。

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【アートのようなロールス・ロイスの世界観】

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