「え、なんであの人が昇進!?」「仕事を投げて自分では何もやらないのに…」「後輩に先を越された」 "昇進人事"にモヤッとするワケ
一方、よくよく見てみると、その後輩は「仕事を任せながらも要所、要所で責任を取り、全体をうまくまとめていた」という可能性もある。メンバーへの感謝を口にしていたか。トラブル時には真っ先に矢面に立っていたか。プロジェクト全体を俯瞰し、上との調整を引き受けていたか。
もしそうだとしたら、その後輩は単に「要領がいい」のではなく「任せる力」と「まとめる力」に長けていたのかもしれない。見えないところで、チーム全体の方向性を調整し、メンバーが働きやすい環境を整えていた可能性もあるのだ。
人事の謎を解く2つの視点
そして2つ目の問いだ。
「自分がやったほうが早い」「部下に任せると時間がかかるから」と言いながら、いつまでも自分で資料をつくり、細部のチェックに追われていないか。上位者としてやるべき仕事を後回しにしていないか。結果として「忙しく立ち働いている」ことが、自分の安心材料になっていないか。
人事が評価していたのは、もしかすると「手を動かしている量」ではなく「チームとしてどれだけ成果を上げたか」「どれだけ役割の階層を意識した仕事をしていたか」だったのかもしれないのだ。
もちろん他人の成果を横取りして昇進の階段を駆け上がる人が存在するのも事実。それは組織にとって有害だ。見過ごすべきではない。しかし同時に「任せる」「人を使う」という行為そのものが、すべて悪と見なしてはいけない。自分自身の成長を止めてしまうことにもなる。
自分の後輩が自分より先に昇進したとき、その出来事を「理不尽な人事」として嘆くのか。それとも「人に任せること」「手柄の扱い方」「評価の伝え方」を見直すきっかけにするのか。しっかり考えてみよう。そうすることで、次のステージへの扉が開いていくはずだ。
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