キラキラ旅写真の裏で私は腹痛と闘っていた…"お腹弱い"バックパッカーが明かす、旅の水面下で起きていた《苦難》の舞台裏

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CAさんからは、「感染症の疑いがあるためフライト中は席には戻らず、トイレの中で過ごしてほしいです」とお願いされた。トイレの扉には日本語、英語、中国語で「このトイレは使用禁止」といった案内文が貼られた。

私は下痢のついた服はすべて袋に入れてしっかり密封してトイレに捨てて、その後に友達にリュックを持ってきてもらい、中に入っていた服に着替えた。

トイレ内の光景。体調が悪すぎて便座に座ることさえ辛いので、床でグッタリ過ごしていた(筆者撮影)

トイレ内は常に換気が行われているため、極寒だった。CAさんからは毛布2枚、子供用オムツ2枚、お湯を入れたペットボトル(飲み水としてもカイロとしても使用できる。下痢のときは水分補給が大切だそうだ)が支給された。

30分に1回のペースで下痢に襲われながら、いよいよ着陸のときを迎えた。着陸時はシートベルトの着用が必須のため、席に戻るよう指示があった。

私は支給されたオムツを着用して、尻に力を入れながら席に戻った。その後着陸して、日本に無事帰国。めでたしめでたし……という展開にはならなかったから泣けてくる。

旅好き筆者の懺悔と後悔

CAさんに見守れながら成田空港に入ると、空港職員が車いすを用意して待機していた。どうやらフライト中に「こちら444便。体調不良の乗客1名。ご対応お願いします」といった報連相が行われていたようだ。

この事態に冷静かつ丁寧に対応してくださったCAさんおよび関係者の方々には本当に感謝している。迷惑をかけたことを心から反省しており、もう二度とあんな事態を起こしてはいけない……と心に誓い、それ以来「離陸前の食べ物選び」と「体調管理」にはさらに慎重になった。(後日、迷惑をかけてしまった航空会社へ、謝罪と感謝を伝えるメールを送った)

今回は離陸後に腹痛に襲われてしまったわけだが、もし離陸前に異変に気付いていたら飛行機を見送る選択も必要だと感じた。

空港の検疫では熱を測ったり、書類を記入したりと、1時間ほど手続きをして、やっとこさ入国した後は、いっさい寄り道せず自宅へ戻り、ベッドで泥のように寝た。起床後、泥のような下痢がベッドのマットレスを染めていた。翌日以降は血便に苦しんだ。これが私の経験した海外旅の舞台裏だ。

チェコ
チェコへ渡航した際に食べた名物料理「タルタル」は、牛の生肉に刻みニンニクなどが入っている。不安を感じたが、ネットで検索すると“大丈夫だった”という声が多かったので、勇気を出して食べみたところ、大丈夫だった。しかし今後はもっと慎重になろうと思う(筆者撮影)

インドに一緒に行った友達はお腹を壊さなかった(ただし帰国後に彼は発熱した)。友達と食事面での唯一の違いは、宿泊した5つ星ホテルの朝食ビュッフェで飲んだ、トマトジュースに入れた“氷”くらいだ。私のお腹を破壊した真犯人は不明だが、氷は心理的死角になりやすい。ローカルレストランや屋台で提供される食事以外も、私たち日本人には注意が必要だろう。

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