「ただ寝るだけ」ではダメ?体力がない人に必要な休み方。精神科医が見極める「心と体の疲労サイン」

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サイクリングやショッピングというのは、本来ならば疲れを伴う行動ですが、心が疲れている場合には休日を寝て過ごすよりも、疲れを取ることができるのです。

何もやりたくなければ「日光」を浴びる

体力がない人の仕事の戦略
『体力がない人の仕事の戦略』(クロスメディア・パブリッシング)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

体力のないビジネスパーソンであれば、「休日には、何もやる気が起こらない」という人もいるかもしれません。

「軽い運動やストレッチが体にいい」とわかってはいても、それすら「面倒くさい」と感じて、近所のコンビニに行くだけで精一杯という人にとっては、「日光を浴びる」という簡単で体力回復の効果が高い戦略が最適です。

日光を浴びるといっても、日焼けするほど日光浴をする必要はありません。休日に天気がよければ家の近所を散歩したり、それが面倒なら庭やベランダに出て、コーヒーを飲むくらいで十分です。

その理由は、日光を浴びることによって、体内で「セロトニン」が作られることにあります。セロトニンとは、脳内で分泌される神経伝達物質で、別名「幸せホルモン」とも呼ばれ、次のような重要な役割を担っています。

①心の安定
「ドーパミン」や「ノルアドレナリン」といった興奮性の神経伝達物質の活動を抑制して、心を落ち着かせる効果があります
②睡眠の調整
セロトニンは、夜になると「メラトニン」(睡眠ホルモン)に変化して、良質な睡眠に導いてくれます
③自律神経の調整
心身をリラックスさせる効果があり、自律神経のバランスを整えて、体調の回復に効果があります

アドレナリンが不足すると、イライラや不安感が募って、うつ状態になりやすくなったり、頭痛やめまいなどの身体的な不調を起すこともあります。日光を浴びながら近所を散歩すれば、筋力の維持にもつながりますが、気分転換も兼ねて、15~30分くらい日光を浴びながら読書を楽しむだけでも、しっかりと体力回復の効果が得られます。

和田 秀樹 精神科医

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わだ ひでき / Hideki Wada

1960年、大阪府生まれ。東京大学医学部卒業。精神科医。東京大学医学部附属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェロー、浴風会病院精神科医師を経て、現在は和田秀樹こころと体のクリニック院長。高齢者専門の精神科医として、30年以上にわたって高齢者医療の現場に携わる。『70歳が老化の分かれ道』(詩想社新書)、『80歳の壁』(幻冬舎新書)、『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)、『老いたら好きに生きる』(毎日新聞出版)など著書多数。

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