「ただ寝るだけ」ではダメ?体力がない人に必要な休み方。精神科医が見極める「心と体の疲労サイン」

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精神科医の目から見ると、日本人には、「体と心を分けて考える」という視点を持っていない人が多いように思います。

例えば、職場の人がうつ病で会社を休んでいると、頻繁に行き違いが発生します。「あの人、会社を休んでテニスをしているらしい」とか、「病欠しているくせに、海外旅行に行ってたみたい」という噂が広まって、会社中の人たちが、「けしからんヤツだ」と決めつけたりしているのです。

うつ病というのは、心の病ですから、肝臓病などと違って、体を休めていれば治る病気ではありません。

うつ病を乗り越えるためには、テニスをして気分転換を図ったり、海外旅行に行って気晴らしをすることが大切ですが、「病気ならば、家で体を休めるのが当たり前」と勝手に思い込んで、病で苦しんでいる人に非難の目を向けているのです。

「体の病」と「心の病」を分けて考えられないことが、こうした悲劇を招く原因となっています。

体力のないビジネスパーソンが、休日に体力を回復させるためには「体の疲れ」と「心の疲れ」を分けて考えることが最初のステップです。

体と心の「疲労サイン」を見抜く

休日に体力を回復させるためには、自分の体調や気分を冷静にチェックして、体と心の「疲労サイン」を見抜き、適切な対策を講じる必要があります。

体と心の疲労サインには、次のようなものがあります。

《体の疲労サイン》
①「倦怠感」体が重い、何をするのも億劫に感じる
②「筋肉・関節の痛み」肩こり、腰痛、関節痛
③「頭痛・めまい」頭が重い、ボーっとする、立ちくらみ
④「消化器系の不調」食欲不振、便秘、下痢
《心の疲労サイン》
①「集中力・思考力の低下」注意力が散漫、考えがまとまらない
②「やる気の低下」意欲が湧かない、気分が沈みがち
③「イライラ・不安感」ソワソワする、落ち込みやすい
④「感情的になる」すぐに怒る、泣く、感情の起伏が激しい

自分の体調や気分をチェックする際のポイントは、「いつもと違う微妙な変化」を見つけ出す……という意識を持つことです。

普段から、あまり体調がよくないビジネスパーソンであっても、疲労が蓄積してくると、日ごろとは異なる変化が自分の体と心に起こっています。

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