「アタマ、タッチ!」
キクノスケくんが、言葉の意味まで理解していると証明された瞬間だった。
絶望的な瞬間は突然に…
キクノスケくんと暮らし始めてもうすぐ10年。彼はさまざまな言葉を覚えた。初対面の人に対しては「ア、インコデス」、首を上下しながら「ウエ、シタ、ウエ、シタ」、自分を励ますように「キク、ガンバレ」、散歩帰りに「アー、ツカレタ」などなど。
気づけば口調だけでなく、声色までカマタさんに似るようになっていた。どことなく性格までも似ているように見える。飼い主とヨウムはこうやって少しずつ波長を合わせ、自分たちだけの関係を築いていく。
そんな1人と1羽にも、絶望的な瞬間があった。それは突然、あまりにもあっけなくやってきた。
(後編へ続く→≪50年続く同棲生活≫言葉を理解するヨウムと暮らす39歳男性が見据える生涯の関係)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら