「ア、インコデス」と自己紹介も 5歳児並み知能を持つヨウム(インコの仲間)に言葉を教える至福の生活

✎ 1〜 ✎ 12 ✎ 13 ✎ 14 ✎ 15
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
キクノスケくん
水道を出せても締めることはできない(写真提供:カマタさん)

「思い通りになんてならないし、しようとしても、たぶんあまり幸せな関係にはならないんじゃないかな」

のんびりとおおらかなカマタさんの印象は、どこかキクノスケくんと似ているように思えた。

ヨウムの魅力は、やっぱり「おしゃべり」

ヨウムを飼ったなら、やっぱり何かしゃべってほしい。カマタさんは考えた。せっかくなら、自分の言葉をオウム返しするだけでなく、言葉の意味や使うシチュエーションまで理解してほしい。

『アレックスと私』では、アイリーン博士は以下のような方法で、アレックスとのコミュニケーションを構築している。

①2人の訓練者で行う
②AがBにある物体を見せながら、その名称を尋ねる。
③Bが正解すればAはBにご褒美を与え、失敗すれば叱る。

Bはアレックスにとって正しい行動を示す「モデル」となると同時に、アレックスのライバルにもなる。これが、「モデル/ライバル法」だ。

しかし、カマタさんはこれを一人で実践しなければならない。そこで考案したのが、「アタマ、タッチ法」だった。

キクノスケくんの頭を軽くつつくと同時に、「頭、タッチ」と言う。クチバシを触って「クチバシ、タッチ」、お腹を触って「お腹、タッチ」。キクノスケくん自身の感覚と組み合わせて、言葉を覚えてもらおうとする作戦だった。

そしてお迎えしてから半年ほど経った2016年夏、ついにキクノスケくんは、自分の足で頭をタッチしながら、叫んだ。

次ページキクノスケくんが叫んだ言葉
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事