成田と羽田の空港間競争、格安エアライン就航を促す

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「成田(成田国際空港)の30万回がなかったら、エアアジア・ジャパンのベースを成田に置くという考えはなかった」

そう語るのは、8月に就航するエアアジア・ジャパンの岩片和行社長だ。成田の30万回というのは、2012年3月末時点で25万回の年間発着枠(容量)を、1年後の12年度末に27万回へ、そして早ければ14年度中に30万回に拡大するという計画だ。

人口が集中する首都圏という恵まれたエリアにある成田と羽田(東京国際空港)。需要に対して容量が足りないといわれてきた両空港で、数年前から抜本的な拡大が進行している。国際空港の成田は韓国の仁川空港と比較されることが多く、両社の対決ではほぼ互角となるが、成田と羽田を合わせて首都圏空港とみれば、その規模は今でもアジアの中でトップといえる。そして、両空港の容量は、拡大前に比べて4割以上増える。





 10年10月、新国際線ターミナルビルが開業し、32年ぶりに国際空港として復活した羽田は、もともと主軸だった国内線だけでなく、国際線の拡充が注目されている。

現在の羽田の発着枠は39万回。うち国際線は6万回で、内訳は昼間3万回、深夜早朝3万回だ。これまで、昼間の国際線は近距離アジア路線に限られていたが、これから増える昼間の3万回に関しては、欧米を含む高需要路線が認められている。大手エアラインにとっては、実にうまみがあるところであり、これこそ、成田を刺激したポイントだ。

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