うがいでも手洗いでもない…「インフルエンザ発症率が10分の1に減少」研究で判明した超有効な感染対策とは

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歯周病の気配に気づく方法が1つだけあるとしたら、それは歯磨きの際の出血です。「以前は出血したことがあったけれど、最近はないから大丈夫」「歯磨きを乱暴にしたから、歯茎が傷ついただけだ」などと決めつけて放置してはいけません。それは全部、歯周病が原因です。

出血量や頻度が少なくなって、歯ブラシがピンク色に染まらなくなったから見落としているだけです。歯茎を傷つけただけだといっても、実際に傷を見つけられたわけではないですよね?

「お口ケア」でインフルエンザ対策

そうやって「沈黙の病気」である歯周病が知らない間に進行し、あなたもインフルエンザ感染を促進しやすい「意外な弱点」を抱えてしまっているかもしれません。

でも「弱点」を知ったあなたは、もう対策のスタートラインに立っていると言えます。歯周病の出血は、自分のお手入れ(セルフケア)だけでは「絶対に」止めることができません。歯周病は歯科医院で受ける治療(プロケア)でなければ治せないのです。定期的に歯科医院で専門のクリーニングを受けてください。普段の歯磨きでは取れない歯に癒着した悪性度の高い菌を取り除いて、歯周病の進行を食い止めましょう。

さらに前述の「共犯者を弱らせる」ために、歯ブラシだけでなくフロスも活用して、毎食後や就寝前には丁寧な歯磨きを心がけましょう。細菌の温床となる舌の表面も舌ブラシを使ってケアしてください。

また、「ピッキング対策」として、唾液のバリアを強化するために、よく噛んで食べて唾液量を増やしましょう。

これまでのインフルエンザ対策といえば「手洗い」「うがい」「マスク」が主流だったと思います。これからは「お口ケア」もプラスしてください。このたった1つの行動が、あなた自身、そしてあなたの大切な人をインフルエンザから守る武器になるかもしれません。口の中を整えて、この冬を元気に乗り切りましょう!

*本記事は、最新の研究結果や専門家の意見に基づき、インフルエンザ感染リスクを下げる可能性について言及しました。しかしインフルエンザの予防や治療は、ワクチン接種や手洗い、うがいなどをしっかり行い、医師の指示に従ってください。
宮本 日出 日本顎関節学会代議員・専門医・指導医

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みやもと ひずる / Hizuru Miyamoto

1965年、石川県金沢市生まれ。愛知学院大学歯学部卒業後、石川県立中央病院歯科口腔外科に勤務。1994年、豪アデレード大学歯学部で研修し、1996年から同大学歯学部口腔顎顔面外科招待研究員に。2000年から明海大学歯学部の教員に就任。2007年、幸町歯科口腔外科医院を開業。国内外に160篇以上の論文を発表している。著書に「お口からの感染予防」(ギャラクシーブックス)、「レモン水うがいダイエット」(あさ出版)

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