実現が見えてきた?「江戸城天守再建」プロジェクトの全貌「3つの魅力」は?「3つの懸念」に対する回答は?

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2025年の令和の今日において、江戸城天守を再建する魅力はどこにあるのだろうか(提供:一般社団法人IKIZAMA)
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約370年の時を経て機運が高まる「江戸城天守再建築城プロジェクト」
インバウンド消費が日本経済の屋台骨となりつつある中、東京オリンピックや大阪万博のような一時のイベントとは一線を画す、日本を長期に支える壮大な計画だ。日本の新たなシンボルとなりうるプロジェクトへの注目が集まる。
国内外の投資会社でファンドマネージャーや投資啓発などの要職を20年経験後、投資の研究と教育を行うWealthPark研究所を設立した加藤航介氏。
英米で10年を過ごし、世界30カ国以上での経済・投資調査の経験を持つ加藤氏が、「投資のエバンジェリスト」という視点から、過去と未来をつなぐ江戸城再建プロジェクトの全貌を考える。
【この記事の続き】
「いったい何兆円の経済効果…?」「インバウンドはさらに増える?」"江戸城天守再建"計画「投資のプロ」の驚きの見方

日本の未来を構築するプロジェクト

「江戸城天守再建は、日本の未来の世界観を構築するプロジェクトです。それを民意の寄付と財団法人で進め、この先1000年の日本の力としたい」

秋の皇居が目前に広がる東京駅近くのホテルのカフェで、現在、江戸城天守の再建プロジェクトを推進する鈴木智博氏は力強く語った。

江戸城天守を再建築すると聞くと、それは非常に大それた夢物語のように聞こえる。「技術的にも社会的にも、そんなことはおいそれと不可能ではないのか?」と多くの方が感じるだろう。

私もその一人であった。しかし、同プロジェクトの中心メンバーから話を聞くうちに、考え方を変えざるをえなくなった。

過去20年超に及ぶ地道な調査と研究の蓄積、再建を進めるうえでの課題の整理、一般の寄付金を土台とする事業計画、事業の驚くほどの高収益性と経済波及効果。何より中心メンバーの歴史や文化を深く考える情熱は、大いに心を動かされるものであった。

プロジェクトの詳細に先立ち、まずは江戸城の歴史について、簡単に振り返ってみよう。

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