実現が見えてきた?「江戸城天守再建」プロジェクトの全貌「3つの魅力」は?「3つの懸念」に対する回答は?

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令和の今日、江戸城の天守を再建することで、3つの魅力が浮かび上がってくる。

【魅力①】世界に向けて日本のアイデンティティを示すシンボルに

世界の人から見た日本のシンボルとは何だろう。生成AIに尋ねてみると、「東京タワー」「富士山」「新幹線」などが挙げられる。

一方で他の国を見ると、フランスならベルサイユ宮殿、イギリスはバッキンガム宮殿、中国では紫禁城など、誰もが知っている歴史的な建築シンボルが存在する。

江戸城が再建された場合、その高さは現存天守で最も高い姫路城をしのぐ約60m。19階のビルに相当し、日本最大の歴史的木造建築物となる。観光客が圧倒的に多い東京の中心にそびえ立つ、日本のソフトパワーを支える代表的なシンボルになることは間違いないだろう。

年間500万人の来場も見込める観光スポットに

【魅力②】事業としての高い収益性と経済波及効果

天守築城の予算は550億円に対し、収益は年300億円、維持費は50億円を、プロジェクト推進側は見込んでいる。

12年に開業した東京スカイツリーでは、現在年間に約500万人の観光客が訪れる。これと同程度の来場者数に入場料3000円、そしておみやげなどの来場者消費が加わることが試算される。

今後、政府目標を目指してインバウンド旅行客が増加したり、現在その機運が高まっている外国人向けの特別観光価格などが設定されれば、その収益性はより高まるかもしれない。

ところで、収益は見込めるとして、そもそも建築する予算はどうするのだろう。

江戸城天守の再建プロジェクトを推進する鈴木智博氏(写真:WealthPark研究所撮影)
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