実現が見えてきた?「江戸城天守再建」プロジェクトの全貌「3つの魅力」は?「3つの懸念」に対する回答は?
建築資金の資金調達の中心は民間の寄付、
一方で、もしも純粋なビジネスとして、一部借入を踏まえた投資案件として考えれば、わずか数年で初期投資の回収が終わるであろう、普通の不動産案件では考えられないぐらいの優良案件と言える。
仮に江戸城が上場REIT(上場不動産ファンド)となれば、時価総額は優に数千億円以上となり、日本で5本の指に入る規模感にもなってくるだろう。
経済波及効果は1000億円との試算を、13年に日本経済研究所が示しているようだが、これはインバウンドが盛り上がる前の数字であり、かなり控えめにも思える。
そもそも、オリンピックや万博などと違い、その波及効果はより長期にわたり継続する可能性が大きいだろう。
江戸城天守の再建は、完全な木造で計画されている。コンクリートの城は、一般的に50〜60年で耐用年数を迎えるが、木造天守の耐用年数は修理を重ねれば1000年という。
実際、1000年を超えて現存する法隆寺や薬師寺などの木造建築は、木の国日本の象徴であり、その文化的・建築的な価値は極めて高いだろう。
伝統技術の継承を担う役割も
これに関連して、存続が危ぶまれている宮大工の技術と伝統を、未来に継承できることは大きな魅力に映る。
釘を使わずに木と木を組み上げて建物を作る日本古来の工法を伝える大工数は、現在150名まで減少しているとのこと。この江戸城天守再建プロジェクトが、日本の伝統建築技術を継承するかなめになることが期待される。



















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