「日本で30人」名門ホテルの凄腕コンシェルジュが提供する"至高"の体験

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一期一会を一生の思い出に

こんなこともあった。海外から来た4人の医者。どうしても食べたいレストランがあるという。森とも信頼関係が結ばれている店だった。電話をかけて予約を入れると、すんなり受けてくれた。

東京ステーションホテル: 100年先のおもてなしへ
『東京ステーションホテル: 100年先のおもてなしへ』(河出書房新社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「場所がちょっとわかりにくいところにあったので、私も一緒に行きました。すると、お店に他のお客様が誰もいない。シェフに聞いたら、他の予約はない、と」

本当は休みだったが、森のお願いだったから、と店を開けたというのだ。

「私はスーパーウーマンではありませんから、できないこともたくさんあります。でも、できないことはチームのメンバーや、協会のメンバーに助けを求めることもできる。私には無理ですが、私の知り合いがもしかしたらお手伝いできるかもしれません、とお待ちいただくこともあります」

「お客様みんなを幸せにする、旅は人生の大事なイベントです。一期一会(いちごいちえ)という言葉がありますが、もしかしたら1回しか会えないかもしれない。でも、その1回を大事にすれば、一生の思い出にできるかもしれない」

あのときは良かった、と言ってもらえることこそが、最大の醍醐味だという。

「そうなれれば、もう幸せだな、って思うわけです。お客様の幸せが、自分にも戻ってくる仕事なのです。だから、コンシェルジュはやめられません」

上阪 徹 ブックライター

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うえさか とおる / Toru Uesaka

ブックライター。1966年、兵庫県生まれ。早稲田大学商学部卒業。ワールド、リクルート・グループなどを経て、1994年、フリーランスとして独立。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍、Webメディアなどで幅広くインタビューや執筆を手がける。これまでの取材人数は3000人を超える。他の著者の本を取材して書き上げるブックライター作品は100冊以上。2014年より「上阪徹のブックライター塾」を開講している。著書は、『1分で心が震えるプロの言葉100』(東洋経済新報社)、『子どもが面白がる学校を創る』(日経BP)、『成城石井 世界の果てまで、買い付けに。』(自由国民社)など多数。

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