「日本で30人」名門ホテルの凄腕コンシェルジュが提供する"至高"の体験
運の悪いことにゲストに伝えたお店は都心から1時間ほどかかる距離にあった。予約していた店は都心。つまり、今から向かっても1時間ほどかかってしまう。
「お客様はまずは東京駅まで向かってもらい、お店には1時間遅れる、と伝えました。店から閉店時間に近づいてしまう、と最初は言われたものの、〝わかりました。森さんが言うのならしょうがない〞と言ってもらえて」
お客様の幸せが、自分にも戻ってくる
チームのメンバーとともに、森はゲストを東京駅の改札で迎え、そのままタクシーに一緒に乗った。これは最後まで責任を持ってお店にお送りしたい、と思ったからだ。
「まずは、なんてことをしてしまったのか、と謝らなければいけませんでした。すると、お客様は〝大丈夫だよ、森さん。今まであなたにどのくらいお世話になったか。誰もけがもしていないし、旅行中なんだから時間もあるし〞と笑って言ってくださって。“Don’t worry, you still be our No.1 concierge.”とまで言われて、涙が出ました」
お店に送り届け、そこでも謝罪をすると〝森さん、大丈夫ですよ、あとは僕たちがやりますから。それよりも、いつもありがとうございます〞と引き受けてもらえた。また、涙が出た。
「思い通りにならないときや失敗はつきもの。学ぶチャンスと捉え、マイナスをプラスに。迷ったらもう一度『Our Promise』(2012年再開業へ向け定められた全スタッフの行動指針)を振り返ります」



















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