朝ドラ【ばけばけ】ハーンが「医者に行け!」と怒ったワケ 驚くほどの優しさ見せる一方で「絶対に許さない」相手にはとことん…

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ハーンは末次本町に引っ越すが、驚くべきことに元いた宿屋の娘を自身で医者に連れていき、全快させている。ハーンのこんな言葉が、セツの心に残ることとなった。

「娘、少しの罪ありません。ただ気の毒です」

嫌いな相手はとことん嫌いになった

ハーンの優しさがよく伝わってくるが、ほかにも後日談がある。転居した末次でハーンはセツと暮らすようになるが、たまたま材木町の宿屋にいた人が隣に引っ越してきた。

すると、ハーンは「あなたは材木町の宿屋にいたと申しましたね」と確認。そのうえで「あの宿屋の主人とは友達ですか?」と問いかけたという。

相手が「はい、友達です」と答えると、ハーンはこう言って奥に入ってしまったという。

「あの珍しい不人情者の友達、私は好みません。さようなら、さようなら」

そこまでしなくても……と思うが、こんなハーンの偏屈さも、ドラマのヘブンは忠実に表現しているように思う。一筋縄ではいかないヘブン。その予想できない言動が、これからも視聴者を驚かせることになりそうだ。

【参考文献】
小泉節子著、小泉八雲記念館監修『思ひ出の記』‎(ハーベスト出版)
小泉凡著『セツと八雲』(朝日新書)
NHK出版編『ドラマ人物伝 小泉八雲とセツ:「怪談」が結んだ運命のふたり』(NHK出版)
櫻庭由紀子著『ラフカディオハーンが愛した妻 小泉セツの生涯』(内外出版社)

真山 知幸 著述家

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まやま ともゆき / Tomoyuki Mayama

1979年、兵庫県生まれ。2002年、同志社大学法学部法律学科卒業。上京後、業界誌出版社の編集長を経て、2020年独立。偉人や歴史、名言などをテーマに執筆活動を行う。『ざんねんな偉人伝』シリーズ、『偉人名言迷言事典』など著作40冊以上。名古屋外国語大学現代国際学特殊講義(現・グローバルキャリア講義)、宮崎大学公開講座などでの講師活動やメディア出演も行う。最新刊は『大器晩成列伝 遅咲きの人生には共通点があった!』( ディスカヴァー・トゥエンティワン ) 、『ひょんな偉人ランキング ―たまげた日本史』(さくら舎)。「東洋経済オンラインアワード」で、2021年にニューウェーブ賞、2024年にロングランヒット賞受賞。
X: https://twitter.com/mayama3
公式ブログ: https://note.com/mayama3/

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