朝ドラ【ばけばけ】ハーンが「医者に行け!」と怒ったワケ 驚くほどの優しさ見せる一方で「絶対に許さない」相手にはとことん…

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女中の体を大事にしないことに「ココ、ジゴク! オヌシ、ジゴク!」と激怒。宿から出ていくために、ヘブンはともに暮らす女中を探すという展開になった。

「親の心ありません」と激怒したハーン

ヘブンのモデルであるラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は、実際にそんな人物だったようだ。妻の小泉セツは『思ひ出の記』‎で、ハーンのことを「ヘルン」と呼び、来日したばかりの頃をこう振り返っている。

「ヘルンが日本に参りましたのは、明治23年の春でございました。ついて間もなく会社との関係を絶ったのですから、遠い外国で便り少ない独りぽっちとなって、一時は随分困ったろうと思われます」

「会社との関係を絶った」というのは、ハーンはもともとハーパー社の通信員として横浜までやってきたが、その直後に会社との契約が破棄される。師範学校の英語教師の職を得て、松江へと移ることになった。辺鄙なところのほうが好きだったハーンは、東京よりも松江での生活を好んだと、セツは振り返る。

「出雲の学校へ赴任することになりましたのは、出雲が日本で極古い国で、いろいろ神代の面影が残っているだろうと考えて、辺鄙で不便なのをも心にかけず、俸給も独り身のことであるからたくさんはいらないから、赴任したようでした」

松江でハーンは材木町の宿屋に泊まるが、しばらくして転居することとなった。この宿屋こそが、ドラマでの花田旅館のモデルとなっている。宿では小さな娘が眼病を患っており、ハーンは「早く病院に連れていき治療をするように」と親に伝えるも、「はいはい」と言うだけで取り合ってもらえなかったという。

ハーンは「珍しい不人情者、親の心ありません」と怒って、この宿屋を出ることになったという。

次ページ回想シーンでは…
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