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流行語大賞「働いて」発言がウケた理由 高市首相の「無私無欲」「自己犠牲」の献身戦略とは?

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  • 岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師
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翻って、高市氏はあからさまに「自己犠牲」ぶりをアピールしているわけではありませんが、個人的なストーリーを通して、親や夫を介護し、まるでナイチンゲールかマザー・テレサのように不眠不休で「人のために尽くしてきた」エピソードを披露しています。

講演会などでは、親の介護について、「おむつのごみを出すのが本当に大変だった」などと苦労話を吐露していましたが、直近では、今年になって脳梗塞で倒れた夫について「今、家族介護をひとりでやっている」と話しています。

生々しい実体験の話も披露する

「帰ってきたら、食べこぼしがいっぱいあって、それを掃除してから入浴介助。これが一番身体にこたえます」
「私よりはるかに身長の高い家族を背中に担ぎながら、風呂場に行って頭から身体のすみずみまで洗って……」


 など、その口からは生々しい実体験の話がこぼれ出ます。

こんな表現が、これまで男性政治家・リーダーの口から漏れたことはあったでしょうか。

おむつさえ変えたことなどないし、卵の値段も知らないという天上人、当然のように特権階級へのチケットを手に入れる世襲議員、ふんぞり返って、偉そうで横柄な輩……。私利私欲な政治家が少なくない中で、庶民と同じように苦労し、その気持ちがわかり、彼らのために汗を流す人、という「献身」イメージが好感度アップに一役買っているのは間違いありません。

自分を犠牲にして「理想の娘」「理想の妻」「理想の嫁」を演じ切る獅子奮迅ぶりは、家庭、仕事、介護など、多くの責任を抱え込む女性たちには、「高すぎるハードル」と受け止められますが、伝統的な家庭観を持つ層には好意的に受け止められることでしょう。

「働いて」の宣言通り、高市氏は就任以来、外遊を含め、フルスロットルで超人的スケジュールをこなしています。

リーダーが説得力を高めるために実は欠かせない「無私無欲」「自己犠牲」のしぐさ。高市氏がこれをまったくの無意識で繰り出しているのだとしたら、「相当のつわもの」と舌を巻かざるをえません。

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