アマゾン、AI企業「パープレキシティAI」にAIツールによる購入代行を停止するように要求
米アマゾン・ドット・コムは、人工知能(AI)検索エンジンの新興企業パープレキシティAIに対し、同社のAIエージェント型ブラウザー「コメット(Comet)」が利用者に代わってオンライン購入を行う行為をやめるよう求める警告書(停止通告書)を送付した。
事情に詳しい関係者によると、アマゾンは10月末に送った同書簡で、AIエージェントがユーザーに代わって買い物をしていることをパープレキシティが開示せず、アマゾンの利用規約に違反したと指摘し、コンピューター詐欺を犯したと主張。また、同社のツールがアマゾンでの購買体験を損ない、プライバシー上の脆弱(ぜいじゃく)性を生じさせていると批判した。
一方、パープレキシティはブログ投稿で、アマゾンが買い物機能のある競合AIエージェントを持つ小規模な競合企業を「いじめている」と反論。アマゾン上での購入にどのAIエージェントを使うかは「利用者が自由に選べるべきだ」と主張した。同社は「パープレキシティのような革新的企業を脅し、人々の生活を便利にする取り組みを妨げるのはいじめ戦術だ」と記した。
アマゾンとパープレキシティの対立は、今後急増が見込まれるAIエージェントの扱いを巡る議論の高まりを予見させるものだ。これらのエージェントは、メール作成や調査に加え、買い物などより複雑なオンライン作業を代行することを狙っている。
パープレキシティは、OpenAIやグーグルと同様に、AIを中核とした新しいブラウザー体験の構築を進めており、利用者の操作を効率化することを目指している。
アマゾンも独自のAIエージェントを開発中で、これには買い物機能を備えたものも含まれる。4月にはアマゾンのショッピングアプリ内でブランドサイトから購入できる新機能「Buy For Me」を試験導入した。アマゾンのサイトを閲覧し、商品を薦めてカートに入れる機能を持つAIアシスタント「Rufus」も展開している。ただ、AIエージェントとウェブとの連携に関する実験の多くはパープレキシティのような新興企業によって進められてきた。
パープレキシティのアラヴィンド・スリニヴァス最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「アマゾンは私たちにとって多くの面でインスピレーションの源だった」と述べた上で「利用者に自社製のアシスタントだけを使うよう強制するのは、顧客本位とは言えない。それが必ずしも最良の買い物アシスタントであるとは限らない」と指摘した。
著者:Shirin Ghaffary、Matt Day
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