動画の総再生数"270万回"「マンジャロ」を安易に使う人に起こる健康被害の中身――薬剤師タレント「オンライン診療を受けてみた」結果は?

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では、なぜこれほどリスクがあるマンジャロが“やせ薬”として広まったのでしょうか?

その理由の1つとして、過度なSNS広告と一部の美容クリニックやオンライン診療で、医師が安易にダイエット目的で処方しているケースが、巷にはびこっていることが挙げられます。

実際に「マンジャロ1本無料プレゼント」や「めちゃくちゃ楽痩せ目指せます」、「重い副作用が出る人は稀で低血糖もほぼ起こらないです」などの広告が氾濫し、なかには「Amazonギフト6万円プレゼント」や「最大20万円分の旅行券プレゼント」など、過剰な特典を謳うクリニックも存在します。

加えて、「正しい知識を持たないまま使用してしまう」「楽にやせられると思い込む」といった安易な気持ちで購入するという、買う側の問題も、健康被害を拡大させる一因となっています。

オンライン診療を受けてみた

では、どれほど簡単にマンジャロが処方されてしまっているのか。実態が気になり、筆者は実際にSNS広告に出てきたオンライン診療クリニックを利用してみることにしました。

予約は15分刻みで診療は即日可能。

ウェブサイトにあった問診票には「身長150cmの場合、体重41.6kg以下は処方不可」と書かれていたため、150cm・42kgと記入しました。もちろん、オンライン上では虚偽の申告も容易です。

身長、体重のほかに糖尿病の薬を使用しているかの有無、どこが気になっていてやせたいかなどについて書かれた問診票を提出すると、すぐに電話がかかってきました。

驚いたのは、ビデオ通話ではなく、ただの電話だったこと。これでは相手が本当に医師なのか確認もできません。

マンジャロの使用を検討していることを伝えると、一応「41kg台になると低体重になるので、ご自身の判断で安全にお使いください」と言われましたが、それだけで副作用についての説明がありません。

そこでこちらから副作用について質問したところ、「初期に嘔吐や便秘、下痢がありますが、そのうち落ち着きます」とだけ説明されました。

そして、わずか2分半ほどで「では、マンジャロ2.5mgを処方します」と言われたのです。あまりに簡単に処方されることに、驚きを隠せませんでした。

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