動画の総再生数"270万回"「マンジャロ」を安易に使う人に起こる健康被害の中身――薬剤師タレント「オンライン診療を受けてみた」結果は?

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さらに、処方を断ると、最初に出た言葉が「費用面ですか?」。

このクリニックで処方しているマンジャロの費用は、1カ月で3万円。1週間1本で7500円の計算になります。この瞬間、副作用よりも利益を優先しているのではないかという疑念が強まりました。

筆者が試しに受診してみたクリニックのウェブサイト※一部加工しています

“楽してやせる薬”は存在するのか?

何度も繰り返しますが、マンジャロは本来、糖尿病患者さんのために開発された薬です。

確かに、同じ成分で肥満症に適応がある「ゼップバウンド」という薬も存在しますが、こちらも誰でも使用できるわけではありません。高血圧や脂質異常症、または2型糖尿病のいずれかがあって、食事療法や運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限ります。

・BMIが27kg/平方メートル以上であり、2つ以上の肥満に関連する健康障害がある
・BMIが35kg/平方メートル以上

「打つだけでやせる」「楽にやせられる」――。そんな甘い言葉の裏には、命に関わるリスクが潜んでいます。

「やせたい」という気持ちは誰にでもあります。でも、健康を犠牲にしてまで手に入れる“やせ方”は、本当の意味での「美しさ」や「健康」にはつながりません。

体も心も守るために、「安易に手を出さないでほしい」と心からお願いしたいです。

「【薬剤師が警告】知らないと危険!マンジャロダイエットの真実」より(画像:筆者提供)
菊池 遥香 薬剤師/タレント

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きくち はるか / Haruka Kikuchi

現役で訪問薬剤師として働きながら、タレント・SNS発信者としても活動。現場の声に耳を傾け、「正しい医療知識を誰にでもわかりやすく伝える」ことを使命としている。SNSでは、医薬品のリスクや正しい使用方法、薬剤師・薬学部・医療の現状などを発信し、総フォロワー数は10万人を超える。

薬や情報が簡単に手に入る時代だからこそ、「何が正しく、何が危険なのか」を見極める力の重要。「薬剤師」という職業の本当の価値を社会に広めるべく、現場からのリアルな声を発信し続けている。

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